研究課題/領域番号 |
19K08896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80233807)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Layilin / 滑膜細胞 / 関節リウマチ / 上皮間葉移行 / EMT / ライリン / 上皮間葉移行様変化 / 分子標的治療 / 滑膜線維芽細胞 / layilin |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は、関節の滑膜細胞増殖と炎症細胞浸潤を主な組織所見とする炎症性疾患で、抗TNF-α療法が奏功する。我々は、ライリンという機能未確定の蛋白質が滑膜細胞で発現しTNF-αで増強することやTNF-α誘導性の上皮間葉移行(EMT)に必須であること等を見出してきた。近年、RA滑膜細胞でEMT様変化が生じていることが報告されていることから、我々は「ライリンを介したTNF-α誘導性EMT様変化がRA滑膜細胞の異常増殖の本態である」との仮説を立てた。本研究では、ライリン遺伝子欠損マウス及びヒト滑膜細胞等を用いて、上記仮説を実証し、ライリンを標的としたRA滑膜増殖抑制治療法の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
Layilinがcyclin-dependent kinase 1とdynamin-related protein1の活性化を介して、ミトコンドリア形態をチューブ状のfusion型から粒状のfission型に変えることを見出した。このミトコンドリアの変化は癌細胞の浸潤能増強に関連するとされることから、LayilinがEMT様変化を介して細胞の浸潤能を増強させている傍証であると言える。また、複数の細胞株でLayilin発現抑制により細胞増殖が抑制されることを見出した。以上の結果は、Layilin がEMT様変化およびその結果起こる細胞の増殖能・浸潤能の獲得に深く関わることを強く示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりLayilin がEMTおよびその結果起こる細胞の増殖能・浸潤能の獲得に深く関わることが強く示唆された。より長期的な目標は、滑膜細胞の EMT 様変化の抑制、それによる異常増殖抑制・骨浸潤抑制により、 RA を治療する方法を実現することである。著効はするが高価でかつ易感染性などの副作用のある現在の生物学的製剤やJAK阻害薬とは全く機序の異なる治療法を可能とすることであり、実用上の極めて大きな意義である。
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