研究課題/領域番号 |
19K08921
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
白井 悠一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (70528801)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 強皮症 / 石灰沈着症 / 骨芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
SScの軟部組織中で沈着している成分がハイドロキシアパタイトであるかといった基本についてリン酸カルシウムの染色で検証する。また、その産生細胞である骨芽細胞が患者病変部に実際に存在するかについて、免疫染色と網羅的遺伝子発現で骨芽細胞マーカーの解析を行う。次に、骨芽細胞は軟部組織には本来存在しないため、間葉系細胞からの分化および細胞動員が想定される。この細胞源が循環血液中細胞や局所(関節・腱鞘滑膜)など、どこから供給されるかをSSc患者の末梢血検体および、マウス由来の関節・腱組織を用いて検証する。
|
研究成果の概要 |
強皮症患者で見られる皮下の石灰沈着症の機序について追究した。まず石灰沈着成分は染色でハイドロキシアパタイトであることを確認した。病理では、沈着病変周囲に単核球が集まり、骨芽細胞マーカーALPが陽性であった。病変組織を培養すると、CD90およびオステオカルシン陽性細胞が増殖した。石灰成分も自発的に増加し続け、その中にALP陽性細胞が点在した。従って、組織中の間葉系細胞が骨芽細胞に分化し、異所性に石灰成分を産生する機序が想定された。そこで、既存の治療薬を間葉系幹細胞から骨芽細胞へ分化させる培養系に添加したところ、石灰化沈着およびその成分の細胞外マトリックス関連遺伝子発現が抑制されることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強皮症の皮下石灰沈着症は、組織中の間葉系の細胞が骨芽細胞に分化して異所性に石灰成分を産生し、病態を形成する機序であることが示唆された。これは、血管石灰化など他の異所性石灰沈着症と共通した分子機序を有し、本研究の成果は間葉系幹細胞分野の進歩の一助になりうる。また、既存の薬物治療の効果は乏しく、アンメットニーズとなっている。本研究で分子標的を明らかにすることで、有効性の高い治療薬の開発が期待できる。
|