研究課題/領域番号 |
19K08953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 高知学園大学 (2020-2021) 高知大学 (2019) |
研究代表者 |
松崎 茂展 高知学園大学, 健康科学部, 教授 (00190439)
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研究分担者 |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
内山 淳平 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (20574619)
渡辺 茂 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (70253333)
福田 憲 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (70335751)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ファージライシン療法 / 結核菌 / 抗酸菌 / スメグマ菌 / ファージ療法 / 溶菌酵素 / 抗酸菌ファージ / ライシン / 脂質分解酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
近年多くの病原細菌で多剤耐性化が進行しており、抗菌薬にのみ依存した細菌感染症治療の将来が懸念されている。この状況は結核においても同様であり、抗菌薬が無効の場合の対処法が求められている。本研究では、抗菌薬非依存的な結核制御法の可能性の一つである、バクテリオファージ(ファージ)の溶菌酵素(ライシン)を使用する、いわゆるファージライシン療法の開発を行う。ライシンの供給源は、低病原性のスメグマ菌と高病原性の結核菌の両者に感染できるファージY10、およびその近縁ファージとする。これらのライシンを使用し、単独生活の結核菌およびマクロファージ内の寄生状態の結核の両者を殺菌するシステムの構築を行なう。
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研究成果の概要 |
結核は過去の疾患ではなく、世界的に見ると現在でも感染症のなかで最多数の年間死者を出している感染症である。治療には、抗結核薬が使用されるが、それが無効な多剤耐性結核菌が出現し治療学的に大きな問題となっている。その解決には、抗菌薬に非依存的な結核菌制御法の導入が重要であると考えられる。 本研究では、結核菌とスメグマ菌の両者に感染可能なバクテリオファージY2が保有する溶菌酵素(ライシン)群を利用する結核菌制御法の可能性を検討した。当該ライシン混合液は、スメグマ菌に対して増殖抑制・溶菌活性を示した。これは、結核制御においてファージライシン療法が適用可能であることを強く示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、ファージライシンが、従来示されてきたように、ペプチドグリカン層が細胞表層に露出している通常のグラム陽性菌を破壊できるのみならず、抗酸菌のようにペプチドグリカン層の上にミコール酸層等の複数の層がある場合でも、外部からの添加で溶菌・増殖阻害できる可能性が示されたことである。 また、社会的意義としては、結核や Mycobacterium avium-complex(MAC)などのように、細胞表層構造が複雑な抗酸菌に起因する感染症に対しても、ファージライシン療法が奏功する可能性が示されことである。
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