研究課題/領域番号 |
19K08965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
武本 眞清 北陸大学, 薬学部, 准教授 (60379237)
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研究分担者 |
周尾 卓也 北陸大学, 薬学部, 講師 (90399006)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 急性網膜壊死 / 網膜オルガノイド / iPS細胞 / 網膜色素上皮細胞 / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / アシクロビル / アメナメビル / VZV / HSV / tricin / foscarnet / Tricin / Foscarnet |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、急性網膜壊死(ARN)という失明率の高いウイルス感染症が、どのようにして起きるのかを明らかにし、治療成績の向上に役立てようとするものである。網膜は眼底部に位置する緻密な層構造の組織であり、これまで特にヒトの網膜を使って実験することは難しかった。しかし近年オルガノイドという擬似臓器の作成技術が進歩し、網膜オルガノイドも作成が可能となった。そこで本研究では、網膜オルガノイドに原因ウイルス(単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス)を感染させ、体内での感染経路の推定、炎症反応の全容解明、ウイルス増殖と炎症反応を抑える薬の開発を目標に、研究を行う。
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研究成果の概要 |
急性網膜壊死(acute retinal necrosis; ARN)の発症機序と治療法の検討を、網膜オルガノイド(RO)や網膜色素上皮細胞(RPE)を用いて行った。水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染実験では、ROおよびRPE基底膜からの感染は認められず、RPE頂端膜からの感染のみ認められたことから、網膜への感染経路は脈絡叢以外からである可能性が示唆された。また、ARPE-19由来RPEにおいて、VZVおよび単純ヘルペスウイルス1型に対してアシクロビルよりも高い抗ウイルス作用を示したアメナメビルの方が、治療薬としてより効果的である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ARNの発症頻度は高くはないが、2007年にはぶどう膜炎全体の約1%であったのが2016年には1.7%と上昇傾向を示しており、今後も高齢化の進行に伴い上昇が続くことが危惧される。それに備えて本研究では、発症機序と治療法の検討を行ったが、発症機序の解明には至らなかった。しかし治療薬の選択肢としてアメナメビルの可能性を示せたことで、今後の治療成績の向上に本研究成果が寄与できるものと考える。
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