研究課題/領域番号 |
19K08986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
田中 弦 杏林大学, 医学部, 助教 (20615570)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 尿酸 / 輸送体 / パーキンソン病 / L-dopa / dopachrome / URAT1 / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
血清尿酸値が高いほどパーキンソン病の発症リスクが低くなることが複数の疫学調査で明らかとなりつつある。一方、ドパミン前駆体でありパーキンソン病治療薬でもあるL-dopaは血清尿酸値を上昇させることが古くから報告されているが、その機序の詳細は明らかでない。本研究では腎臓においてL-dopaもしくはその代謝物が、尿酸トランスポーターの尿酸輸送を変化させると考え、そのトランスポーターを同定することを目指す。また、このトランスポーターが脳内でもL-dopaと尿酸の動態を制御しているか検討する。本研究によりパーキンソン病の発症と進行の機序の一端が解明されれば、新規治療薬・予防薬の開発へと繋がるはずである。
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研究成果の概要 |
尿酸はパーキンソン病の発症と進行に保護的な役割を果たすことが報告されている。パーキンソン病の治療薬でありドパミン前駆体であるL-dopaと尿酸の血中濃度に相関があることが日本人の血中代謝物データベースより示された。そこでこの機序を解明するため、種々の尿酸輸送体による尿酸輸送がL-dopa及びその代謝物により変化するかアフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて検討した。結果、主要な尿酸輸送体の一つがL-dopaの代謝物のdopachromeによって非競合的に阻害されることが示された。脳への尿酸輸送がdopachromeによって影響される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では抗酸化物質である尿酸とL-dopaの血中濃度に高い相関があることから、これがどのような機序によるのかを検討し、L-dopaの代謝物の一つが尿酸の主要な輸送体の一つを阻害することを明らかとした。これはパーキンソン病治療薬として用いられるL-dopaが持つ副作用を増幅させる要因となっている可能性があり、研究がさらに進展すれば副作用が少ない新たな治療薬や予防薬の開発へとつながるかもしれない。
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