研究課題/領域番号 |
19K08994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小林 雅樹 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (80373041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グルカゴン / α細胞 / 膵臓 / 糖尿病 / アミノ酸 / 分岐鎖アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは質量分析装置による高精度なグルカゴン測定系を開発し、糖尿病におけるグルカゴン分泌変化について再検証を行った結果、糖尿病によりアミノ酸に対する膵α細胞のグルカゴン分泌応答が障害されている可能性を見出だしている。 そこで本研究課題では、糖尿病によりアミノ酸応答性のグルカゴン分泌が障害されるメカニズムを細胞レベルで明らかにするため、新しい膵α細胞株の樹立を行い、高精度グルカゴン測定系と合わせて解析を行う。得られたデータを基に、たんぱく質含量やアミノ酸組成を操作した食事療法を行い、グルカゴンの分泌変化を介して糖尿病病態が個体レベルで変化し得るのかを検討する。
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研究成果の概要 |
2型糖尿病では食後の高グルカゴン血症が認められる。我々は糖尿病モデルマウスの単離膵島において分岐鎖アミノ酸(BCAA)応答性のグルカゴン分泌が亢進するとともに、BCAA代謝抑制酵素の遺伝子発現が増加しBCAA代謝産物含量が低下することを明らかにした。糖尿病モデルマウスの膵島においてBCAA代謝抑制酵素を阻害することで、BCAA応答性のグルカゴン分泌亢進は抑えられた。糖尿病モデルマウスの膵島におけるBCAAの代謝障害が、BCAAによるグルカゴン過剰分泌に関与していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病におけるグルカゴン分泌異常について、アミノ酸に対する分泌応答というこれまでにない視点からの研究である。将来的に、膵α細胞を標的とした新しい糖尿病治療法の開発という臨床への応用につながる可能性がある。 近年、食事療法として糖質制限が注目されているが、糖尿病患者において糖質や脂質を抑えるための安易なたんぱく質摂取増加させることは、グルカゴン分泌亢進を介した血糖コントロール不良につながる可能性もあり、本研究課題の成果は糖尿病患者に対する食事療法などにおいても重要な知見を与えると期待される。
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