研究課題
基盤研究(C)
高脂肪食によって誘導される脳の自律神経中枢である視床下部の炎症反応が、摂食抑制ホルモンであるレプチンのシグナルを障害し、過食になることが肥満のメカニズムの1つとして注目されている。我々は、自然免疫センサーのシグナル伝達分子TRIFが視床下部炎症に関与し、摂食調整異常を誘導して、過食性肥満の発症に深く関与することを見出した。そこで本研究では、TRIFシグナルによる視床下部炎症の誘導機序を解明し、過食の新規分子メカニズムを明らかにする。
近年、自然免疫センサーToll様受容体(TLR)4とそのアダプター分子MyD88によって誘導される視床下部の炎症反応が、摂食抑制ホルモン(レプチン)のシグナルを障害し過食になることが報告されている。我々は、TLR4-MyD88やTLR3非依存的なTLRのアダプター分子TRIFシグナルが、視床下部炎症に関与し、摂食調節異常を誘導することを見出した。また、DNAウイルス感染に対応する自然免疫シグナルのアダプター分子STINGが、TRIF依存的に視床下部炎症に関与しレプチンシグナルを障害することから、STING-TRIF経路が視床下部炎症に関与することが示唆された。
これまで考えられているTLR4-MyD88B経路よりもSTING-TRIFシグナル経路が、視床下部炎症に深く関与することを見出した。今後STING-TRIFシグナルを誘導する上流分子や責任細胞の同定により、摂食調節異常の新規メカニズムを提唱でき、自制が困難な過食性肥満の解明に貢献できると考える。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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