研究課題/領域番号 |
19K09037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
粟澤 元晴 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 糖尿病研究センター 分子糖尿病医学研究部 統合生理学研究室長 (90466764)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | EDA / 皮膚 / 代謝 / 肥満 / 熱放散 / シングルセル解析 / 血糖 / 糖尿病 / 脂肪肝 / 無汗性外胚葉形成不全症 / マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
Eda遺伝子は無汗性外胚葉形成不全症の原因遺伝子として知られるが、その遺伝子座から はEda-A1、A2という2種類のアイソフォームおよびmiR-676が同時に生成される。近年申請者らは、Eda及びmiR-676の発現が肥満肝臓において増加し、特にEDA-A2が分泌タンパクとして骨格筋に作用することでインスリン抵抗性の原因となることを見出した。一方でEdaと同時に転写されるmiR-676についてはその詳細な働きは未知であり、またA1アイソフォームについてその成人ないし肥満における意義は明らかではない。本研究では”EDAシステム”の全貌を明らかにし、新たな臨床的シーズを発掘することを目指す。
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研究成果の概要 |
EDAR刺激抗体によるEDA-A1シグナル活性化とその代謝に対する影響の検討およびAAVによるEDA-A1特異的な肝臓での過剰発現モデルの解析を行なったが、血糖は上昇傾向を示したものの顕著な代謝系表現系の変化は認められなかった。そこで発展的課題として皮膚と代謝との関連をとらえるべく検討を進めた。皮膚の熱放散へのインターベンションは、全身の代謝に対して影響を与えうることが示された。また肥満モデルマウス皮膚のはシングルセル遺伝子解析を行い、各種細胞群において遺伝子発現の変化が生じており、その一部は炎症や全身の熱産生などに関わりうることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EDAという皮膚関連分子が肥満成人の肝臓において発現増加を示すことを端緒に研究を進め、より広い意味で肥満状態においては皮膚の分子生物学的性質変化が生じうること、さらにまたそうした皮膚の機能変化が、実際に全身の代謝に対して影響を持ちうることを初めて示した。これまでの代謝研究では皮膚は糖尿病の合併症臓器として捉えられることが常であったが、本研究に基づき皮膚が全身の代謝制御に積極的な役割を果たしている可能性が提示され、今後の発展的研究を進めるための根拠が得られた。
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