研究課題/領域番号 |
19K09106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
前田 真男 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00769614)
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研究分担者 |
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
林 孝典 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40724315)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脂肪細胞 / がん / 腫瘍間質 / 卵巣がん / 分化転換 |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんでは、脂肪細胞は腫瘍間質の重要な構成因子である。本研究では、乳がん細胞による脂肪細胞の性質の変化(「教育」)、および乳がん組織中で脂肪細胞が線維芽細胞や血管内皮細胞へ変化すること(「分化転換」)に特に着目して、脂肪細胞ががんを進展させる新機構を解明する。そのために、まず乳がん異種移植マウス(PDX)由来腫瘍細胞と脂肪細胞の共培養を用いた解析をすすめる。さらに、乳がん細胞とともにマウスに共移植した「蛍光標識した乳腺脂肪細胞」の血管内皮細胞や線維芽細胞などへの分化転換を解析する。これらの検討により、腫瘍ー脂肪連関を標的とした新たな治療法の開発へとつなげていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、脂肪組織ががんの形成を促進する分子機構を解明する。同意が得られた卵巣がん患者の手術検体からヒト異種移植腫瘍(PDX)と脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を樹立し、これらの細胞を混合培養して解析を行った。ADSC細胞を用いたサイトカインアレイにより脂肪細胞から分泌される因子をいくつか同定した。また、PDX細胞とADSC細胞の共培養系を用いて既存の薬剤スクリーニングを行い、脂肪―腫瘍関連を標的とする既存薬剤の同定を試みた。脂肪細胞の分泌因子のひとつとして同定されたDPP4は卵巣がんを進展させる働きがあり、DPP4阻害剤には卵巣がんの進展を抑制させる薬剤としての可能性があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、脂肪細胞がDPP4を介して卵巣がんを進展させることを明らかにし、脂肪細胞の腫瘍間質としての脂肪細胞の学術的意義をより強固なものにできたと考えられた。また、既存の薬剤であるDPP4阻害剤が脂肪細胞による卵巣がん進展を抑制する可能性を示せたことは社会的意義が大きいと考えられた。今後、腫瘍間質である脂肪細胞を標的とした新たながんの治療法開発につなげたいと考えている。
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