研究課題/領域番号 |
19K09140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小池 聖彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (10378094)
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研究分担者 |
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50589786)
小林 大介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (30635595)
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
澤木 康一 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60815033)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 食道癌 / 抗体医薬 / コンパニオン診断 / 抗体医療 |
研究開始時の研究の概要 |
多様な進展経路を持つ食道癌は男女ともに癌死亡者数が増加しており、その克服は重要な課題である。食道癌の治療成績を改善するには、病態解明と分子標的治療薬開発につながる新規関連分子の同定が望まれる。本研究では、食道扁平上皮癌の細胞株と組織マイクロアレイで高頻度に発現亢進するレセプター分子を探索し同定したレセプターNに着目し、治療の奏効度を予測するコンパニオン診断法の確立と並行して研究を進める。本研究計画の目的は食道癌におけるレセプターNの機能を明らかにし、これを標的とした創薬ならびに診断法の開発に繋げることである。
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研究成果の概要 |
食道癌は予後不良であり、新規関連分子の同定が望まれる。本研究では食道扁平上皮癌で高頻度に発現亢進するレセプター分子NPTXRに着目した。shRNAによる安定的ノックダウン食道扁平上皮癌細胞株を用いたNPTXRの機能解析により、NPTXRは食道癌細胞のアポトーシスを介した増殖能、浸潤能、5-FU耐性を調節することが明らかとなった。この性質は主としてAkt-mTORシグナルを介していることが示された。抗NPTXR抗体はin vitroで食道扁平上皮癌細胞株の増殖抑制効果を示した。食道癌組織中 NPTXR発現は、免疫組織化学染色法で明瞭に判別可能であるとともに、術後の転移再発と相関していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道癌は多様な進展経路を持つ予後不良な疾患であるが、本邦において男女ともに癌死亡者数が増加しており、その克服は重要な課題である。本研究では、悪性腫瘍を関連付けた報告は皆無であったNPTXRの食道癌における発現と機能を明らかにした。さらに、抗体医薬の開発という明確な出口設定に基づいてレセプター分子に焦点をあてて候補分子を検索した。本研究の成果は、NPTXRを標的とした全く新しい作用機序での特異的中和抗体医薬開発と、個別化医療を推進するために治療の奏効度を予測するコンパニオン診断法開発の基盤となる。
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