研究課題/領域番号 |
19K09148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
黒田 新士 岡山大学, 大学病院, 助教 (60633758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金ナノ粒子 / 抗体薬物複合体 / 胃癌 / HER2 / 組織不均一性 / バイスタンダー効果 / 組織内不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
抗体薬物複合体(antibody drug conjugate, ADC)は、抗体医薬に細胞障害活性を有する低分子医薬を結合させた新規治療薬であるが、組織内不均一性を有する胃癌に対してはその有効性を認めなかった。本研究では、金ナノ粒子を結合した抗体薬物複合体(Au-ADC)を作成し、HER2陽性・陰性それぞれの胃癌細胞株に対する治療効果とともに、HER2不均一性を有する胃癌細胞集団に対してもAu-ADCが治療効果を認めるか否かを、がん免疫の活性化やバイスタンダー効果などの観点から検証する。
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研究成果の概要 |
抗体薬物複合体であるトラスツズマブ・エムタンシン(T-DM1)に金ナノ粒子を結合することで作成した金ナノ粒子結合T-DM1(ATDM1)は、T-DM1と比較し、HER2陽性胃癌細胞株に、HER2依存的により多く取り込まれることで強力な細胞障害活性を発揮した。さらに、バイスタンダー効果を介して、その周囲のHER2陰性細胞株に対しても、有意な細胞障害活性を発揮することが証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌治療の課題のひとつが組織不均一性の克服であるが、本研究成果は、乳癌で主に臨床使用されている抗体薬物複合体であるT-DM1に金ナノ粒子を結合させることで、HER2陽性の標的細胞への薬物送達を向上させることができ、さらにバイスタンダー効果を介してその周囲の非標的細胞にも治療効果を期待できることから、組織不均一性を有する胃癌などの癌腫に対する新規治療薬の開発につながる可能性を秘めたものと考えられる。
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