研究課題/領域番号 |
19K09163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
新木 健一郎 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (60431706)
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研究分担者 |
播本 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (00419582)
久保 憲生 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10464744)
塚越 真梨子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60781317)
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サルコペニア / 肝再生 / 肝切除 / 分岐鎖アミノ酸 / 肝筋相関 / PGC1αマウス / 肝再生率 / 肝筋連関 / PGC-1αマウス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、骨格筋減少を主体とするサルコペニアが問題となっており、我々の過去の臨床研究でもサルコペニア患者では予後や手術成績が悪化することがわかっているが、サルコペニアと肝再生の関連を示した基礎研究はない。 本研究ではサルコペニアでの肝切除における肝臓と骨格筋の相関関係(肝筋相関)について着目し、肝切除時の肝筋相関の分子機序を解明することを目的とした。サルコペニアに類似したTypeII線維の骨格筋萎縮を起こすPGC-1α過剰発現マウスを用いて肝切除モデルを作成し、マイオカインやアンモニア代謝、インスリン抵抗性について検討し、サルコペニアの肝再生に及ぼす分子ターゲットを探索することを目的とする。
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研究成果の概要 |
骨格筋特異的なPGC-1α遺伝子を過剰発現するマウスは骨格筋萎縮を起こすため、サルコペニアモデルとして使用。サルコペニアが肝再生に与える影響を明らかにするためこのマウスに70%肝切除の実験検討を行った。 WTマウスに比較し、PGC1αマウスでは肝切除術後の肝再生率が低かった。肝切除術後において分枝鎖アミノ酸(BCAA)の血中濃度がPGC1αマウスで有意に低かった。PGC1αマウスではBCAA補充を行うと肝再生が促進された。 BCAAの貯蔵庫である骨格筋の委縮により、肝切除後はBCAAの血中濃度は低下し、肝再生が抑制されると考えられた。新たな肝臓と筋肉の連関を介した肝再生機序が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会により老化に伴う骨格筋減少を主体とするサルコペニアが社会問題となっているため、サルコペニアを伴う高齢者が肝臓癌など肝臓疾患などにより肝切除手術を受ける際に、肝再生を促進するメカニズムの解明が重要である。 本研究によりサルコペニア病態において、肝臓と筋肉の連関機構が肝再生に及ぼす一つの重要な分子メカニズムとして明らかになった。またそのような病態では分岐鎖アミノ酸(BCAA)が肝再生を促進する重要な因子として解明された。サルコペニア状態の高齢患者でも肝再生を促進できる可能性が明らかとなり、肝臓外科手術の成績向上や予後向上が期待される。
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