研究課題/領域番号 |
19K09174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒田 慎太郎 広島大学, 病院(医), 助教 (30457246)
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研究分担者 |
田代 裕尊 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (90359894)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脂肪肝 / 肝虚血再灌流障害 / トロンボモジュリン / 虚血再灌流障害 / トロンボモジュリンノックアウトマウス / HMGB1 / 肝再生 |
研究開始時の研究の概要 |
非ウイルス性肝癌や転移性肝腫瘍においても、近年のメタボリックシンドロームの増加にもとづき、障害肝を肝切除の対象とすることは日常的である。脂肪肝に対する肝切除では、術後の肝不全率が高いことが知られ、その原因は、肝虚血再灌流障害と肝再生の不全であり、これらに対する原因の究明と制御法の確立が急がれる。 本研究では、脂肪肝マウスを用いて、これらの病態と炎症関連タンパク質(HMGB-1)の関連を調べ、肝疾患に対する外科的治療が、本質的なメカニズム解析を経た上で大きく発展し、更なる癌の制御や、生体肝移植の適応の拡大に踏み出すことを目的としている。
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研究実績の概要 |
脂肪肝は正常肝に比べ虚血再潅流障害(IR)を受けやすく、IR後に肝内再発を来しやすい。われわれはこれまで、癌とトロンボモジュリン(TM)との関連に着目し、特にTMの減少する脂肪肝IRモデルにおいて、癌が進展するメカニズムを研究してきた。また、マウス脂肪肝IRモデルにおいて、可溶性TM製剤(rTM)が肝障害を軽減しIR後の肝内再発を抑制できるかを検討してきた。 今回、Wildマウス、TMノックアウトマウスを用いて、食餌性脂肪肝モデルマウスを作成し、癌生着の実験を行った。それぞれのモデルマウスの、トロンボモジュリン活性を間接的に評価する目的で、血清プロテインCの活性度を測定したところ、脂肪肝マウスは正常肝マウスに比べ、約50%の活性と有意に低下していた(P<0.01)。また、TMノックアウトマウスは正常肝マウスに比べ約25%(P<0.01)、更に脂肪肝TMノックアウトマウスでは15%(P<0.01)とそれぞれ有意に低下していた。 これらのモデルマウスに対して、マウス肝癌細胞株を脾臓注射し、どの程度、肝臓に生着するかを観察した。また、それぞれのモデルにおいて、IRを加えた後に、同様にマウス肝癌細胞株を脾臓注射し、肝臓への生着を観察した。TMノックアウトマウスにおいては、IR後に約5倍の癌の生着を認め(P<0.01)、TMの欠損により癌の生着が助長されることが示された。また、同様に、肝重量および腫瘍占拠面積の増加を認められた。更に、治療薬としてrTMを投与することにより、癌の生着率が抑制され、更に3週間後の生存率が45%から100%に有意に改善され(P<0.01)、癌の進展の抑制並びに肝障害の改善などの要因が考えられた。rTMで肝重量および腫瘍占拠面積が低下した。
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