研究課題/領域番号 |
19K09188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武者 宏昭 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30724322)
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研究分担者 |
唐澤 秀明 東北大学, 大学病院, 助教 (30547401)
山村 明寛 東北大学, 大学病院, 助教 (30814678)
内藤 剛 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50291258)
大沼 忍 東北大学, 大学病院, 助教 (70451565)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 癌関連線維芽細胞 / Wnt2 / Wnt5a / 大腸癌 / Wntシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、“癌関連線維芽細胞”に着目し、癌関連線維芽細胞がWntシグナル経路を介して制御する大腸癌の転移機構を明らかにする事を目的とし、①in vitroでの検証、②手術検体を用いた免疫組織化学、③大腸癌マウス同所移植モデルによるin vivoでの検討を行い、Wntシグナルによる大腸癌の進展促進の機序を具体的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
大腸癌患者の手術検体から得られた癌関連線維芽細胞(CAF)を培養し、遺伝子発現を解析したところ、Wnt2およびWNT5aがCAFで高発現していた。大腸癌患者で検討を行ったところ、Wnt2またはWnt5aが高発現している患者では癌の進行や転移に関連する因子が促進していることが示唆された。 続いて、Wnt2を発現抑制したCAFから得た条件培地で大腸癌細胞株を培養すると浸潤能、遊走能が低下し、一方Wnt5aで大腸癌細胞株を刺激すると、増殖能および遊走能が上昇した。以上より、大腸癌においてCAFでのWnt2およびWnt5a発現は癌細胞の浸潤、遊走を促進し、その結果大腸癌の進展を制御していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌の進行及び転移において癌関連線維芽細胞といわれる癌組織周囲に存在する線維芽細胞が重要な役割を行うことが報告されている。今回の研究ではこの癌関連線維芽細胞における遺伝子発現を解析することにより、Wnt2およびWnt5aが高発現していることを見出した。この遺伝子で大腸癌細胞株を刺激すると、癌の浸潤、転移が促進される可能性が示された。がん細胞そのものだけでなく、この癌関連線維芽細胞が癌の周囲でWnt2やWnt5aを介してがん細胞に働きかけて、癌の進行を促進している可能性を示している。これらの癌周囲の微小環境も新たな治療のターゲットとなる可能性が示唆された。
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