研究課題/領域番号 |
19K09200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有上 貴明 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (40527058)
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研究分担者 |
柳田 茂寛 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (20444903)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
大久保 啓史 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40772223)
松下 大輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (10724205)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント分子 / ニボルマブ / 免疫療法 / 胃癌 / Salvage chemotherapy / がん免疫療法 / 循環腫瘍細胞 / 免疫チェックポイント阻害薬 / リキッドバイオプシー / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは原発巣や血液中の循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)における免疫チェックポイント分子の発現に着目し、腫瘍悪性度や予後と密接に相関している事を見出してきた。本研究は血中CTCにおける新規免疫チェックポイント分子発現とがん免疫逃避機構との関係を分子生物学的に解明すると同時に免疫チェックポイント阻害剤の治療効果や副作用を予測可能な血中バイオマーカーを探索し、臨床応用する事を目的とする。本研究によって血液バイオマーカーに基づく効率的な個別化がん免疫療法が可能となり、リキッドバイオプシーによるモニタリングで繰り返し評価をする事で無駄な医療費の削減も期待される。
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研究成果の概要 |
近年、免疫チェックポイント分子阻害剤であるニボルマブによる免疫療法が胃癌においても臨床導入された。そこでニボルマブ導入前後での臨床成績を評価した所、導入後は2次療法や3次療法への移行率が高く、有意に予後良好であった。さらに免疫療法後の化学療法 (SC: salvage chemotherapy)についても検討した所、SCの奏効率および病勢制御率は、それぞれ37.5%と75.0%であり、SC開始後の無増悪生存期間および全生存期間の中央値は、それぞれ285日と360日であった。これらの結果よりニボルマブ導入後の化学療法戦略の変化は、切除不能胃癌に対する予後を改善する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌治療ガイドラインでは、免疫チェックポイント分子阻害剤のニボルマブによる免疫療法は3次療法として位置付けられている。さらに免疫療法後の化学療法 (salvage chemotherapy)の有効性も肺癌などの他癌腫では注目されているが、胃癌においてはその臨床的意義も含めて不明であった。本研究によって切除不能胃癌に対する免疫療法を基軸とした化学療法後方ラインの予後改善効果の臨床的意義が明確となった。さらに治療戦略としての免疫療法不応後の化学療法継続の重要性が示唆された。今後、1次化学療法における免疫チェックポイント分子阻害剤の導入や殺細胞性抗癌剤との併用療法による更なる予後向上が期待される。
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