研究課題/領域番号 |
19K09227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
折田 創 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50465069)
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研究分担者 |
李 賢哲 順天堂大学, 医学部, 助教 (30758321)
小林 敏之 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員准教授 (40260070)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 極長鎖脂肪酸 / 胃癌 / 大腸癌 / 副腎白質ジストロフィー / 消化器癌 / AOM/DSS / ペルオキシソーム / 脂肪酸合成酵素 / ガスダミンD / 癌治療、予防 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞は、正常とは異なる代謝経路を利用していることが以前より指摘されている。我々研究は、近年、大腸癌において極長鎖脂肪酸(Very Long Chain Fatty Acid; VLCFA)が遊離の状態で著しく蓄積していることを初めて見出した。VLCFAは通常皮膚以外にはごく微量にしか存在しない。癌細胞内におけるVLCFAの異常蓄積について、その分子機構や生理的意義は全く分かっていない。本研究は、癌細胞が遊離VLCFAを蓄積させる分子機構、生理的意義および癌における役割を解明し、VLCFAをターゲットとした新規抗癌治療戦略を提唱することを目的としている。
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研究成果の概要 |
癌細胞内では、脂肪酸の新規合成が亢進しているが、その動態ははっきりしていなかった。今回我々は、大腸癌において極長鎖脂肪酸(VLCFA)が遊離の状態で著しく蓄積していることを見出した。VLCFAは通常皮膚以外にはごく微量にしか存在せず、副腎白質ジストロフィーの原因物質と知られている。本研究では、ヒト及び大腸癌モデルマウス組織においても同様にVLCFAの蓄積を認めたが、細胞株には皆無であった。この為、この蓄積には癌細胞単独ではなく、間質や癌微小環境の関与が示唆された。また、前癌病変である大腸腺腫の一部にVLCFAの蓄積が認められたことから、発癌に関与している可能性も示唆されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌細胞の代謝は解糖系のみに依存していると考えられてきた(Warburg 効果)が、癌化以前より脂質代謝変化が起こっていることが今回の結果からも示唆されており、癌における脂質代謝、これに伴う異常蓄積した脂肪酸の癌に与える影響について更なる検討が必要であることが発信された。今後、さらなる検討を加えることで、癌における脂質代謝操作による抗がん治療法への発展やVLCFAが主因となる脂質代謝異常疾患治療の応用も期待できる。
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