研究課題
基盤研究(C)
本研究では、高BMIと標準BMIの食道癌・正常組織ペアを用い、131遺伝子targeted-resequencingと網羅的遺伝子発現解析から肥満症例に特徴的な遺伝子・遺伝子発現変化を同定する。次いで、これまで取り組んできた肥満食道癌症例の内臓脂肪組織の網羅的遺伝子発現解析結果から、肥満症例における癌組織と脂肪組織で互いにリンクする遺伝子変化・発現変化を絞り込む。さらにその候補因子をこれまで集積した231例のサンプルで解析し、患者の内臓脂肪量やBMI等の代謝因子の層別化解析を行い、肥満症例における癌細胞-脂肪細胞のinteraction(相互関係)を明らかにする。
本研究では、C3およびC4遺伝子の大網組織が食道扁平上皮癌症例の発がんや腫瘍進展に関与するかどうかを大規模サンプルサイズでvalidationし、癌細胞-脂肪細胞のinteractionの解明と新規癌治療のターゲット分子を明らかにする。マルチリファレンスを用いた152症例の解析では、C3およびC4遺伝子共に、いずれの群間比較でも有意な差を認めず、補体が食道癌の発がんや悪性化メカニズムの機序の一因であることは否定的であった。また、大規模サンプルによるマイクロアレイ解析は、核酸不足のため解析することは不可能であった。今後はフレッシュな状態でRNAを回収し網羅的解析を行うことを予定している。
生活習慣と発がんや腫瘍進展に関して注目や興味が高まるものの、未だ明確なエビデンスは構築されていない。我々は過去のデータに基づき大網の補体活性化経路が重要なメカニズムであるのではないかと仮説を立て、特に本研究ではC3/C4遺伝子発現に着目し、152症例の大網脂肪サンプルを用いて検討したが、有意な相関関係は認められなかった。アーカイブされていた脂肪組織のRNAが分解が進み、解析に値するデータが得られなかったため、今後はフレッシュなサンプルを用いて肥満と癌の関連を解明予定である。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (15件)
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