研究課題/領域番号 |
19K09248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
清水 雄介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10327570)
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研究分担者 |
神里 興太 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10554454)
角南 寛 琉球大学, 医学部, 特命准教授 (50374723)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脂肪幹細胞 / 細胞移植 / 対麻痺 / 脊髄虚血 / 脊髄軟膜下投与 / 胸腹部大動脈手術 / 神経細胞 / 脊髄虚血後痙性麻痺 / 虚血性対麻痺 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄虚血後の対麻痺は胸腹部大動脈手術における重大な術後合併症である。本研究はラット由来の脂肪幹細胞を抑制性神経細胞に分化誘導し、虚血性障害をきたした脊髄周囲の軟膜下に投与し、抑制性神経伝達物質の放出を増加することで痙性(固縮)を改善することを目的とする。 これまで脊髄虚血後の対麻痺に対して脂肪幹細胞由来神経細胞移植により機能回復を試みた報告はない。本法は我々が開発した軟膜下投与法を用いることにより脊髄障害を最小限にできる新規の細胞移植法であり、虚血性脊髄障害のみならず神経細胞死が関わる多くの神経変性疾患に対する新たな細胞移植法の開発にも寄与する可能性がある。
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研究成果の概要 |
予備実験として野生型ラットから脂肪を採取し脂肪幹細胞を抽出して安定的に培養する技術を確立した。次に胸部大動脈虚血性脊髄障害を生じるラットモデルを安定的に作製する技術を確立した。一方、脂肪幹細胞由来神経細胞の安定的な作製はできなかった。本実験では合計で12体の虚血性脊髄障害モデルラットを作成し、6体に野生型ラットから採取した脂肪幹細胞を脊髄軟膜下へ直接移植、6体には対照として生理食塩水を脊髄軟膜下へ投与した。その結果、脂肪幹細胞を移植した6体では対照群に比べて下肢運動機能が有意に回復した。このことから脂肪幹細胞の脊髄軟膜下移植により脊髄虚血障害を回復させる可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊髄虚血による対麻痺に対して脂肪幹細胞を脊髄軟膜下投与することで、下肢の運動機能回復の可能性が認められた。本研究は小動物であるラットによる研究であったが、今後さらなる追実験を実施して再現性を確認した後、ブタ、サルなどの大動物での実験を経て、ヒトへの応用がなされれば、脊髄虚血後の対麻痺をきたした患者に対する大きな福音となる可能性がある。
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