研究課題/領域番号 |
19K09249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター(臨床研究部) (2021) 九州大学 (2020) 国際医療福祉大学 (2019) |
研究代表者 |
松本 拓也 独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター臨床研究部, 血管外科医長 (20374168)
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研究分担者 |
古山 正 九州大学, 大学病院, 講師 (00419590)
森崎 浩一 九州大学, 大学病院, 助教 (30625801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高血圧 / BubR1 / 老化 / 細胞周期遺伝子 / レニン・アンジオテンシン |
研究開始時の研究の概要 |
“ヒトは、動脈とともに老いる;William Osler (1848-1919)”の格言のごとく老化は、心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントを高率に発症し致死的な疾患の要因となる。また高血圧は、更に血管イベントの発症率を増加させる。しかし、未だ老化と高血圧との詳細な分子機序の解明はなされていない。そこで老化に影響を与える遺伝子群の同定・解析・治療への応用および高血圧との関連の解明は急務である。我々は、細胞周期遺伝子BubR1の低下は、老化現象を起こし、血管系においても老化の原因になることを解明してきた。今回は、BubR1遺伝子の低下が血圧にどのような影響を与えるかを検討する。
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研究成果の概要 |
BubR1低発現マウスでは、腎臓におけるAngⅡ誘導性のAGTR1過剰発現が抑制されることで、血圧上昇も抑えられることがわかった。BubR1発現低下は、腎近位尿細管細胞では、AngⅡ刺激によるNox 4発現上昇をも抑制した。この抑制効果は、AngⅡ投与後早期にみられた。また、腎線維化も、BubR1低発現マウスでは抑制された。これらの結果から、BubR1低発現マウスでは、主に腎臓におけるAngⅡ応答が減弱化したことで血圧上昇が抑制されたことが示唆された。BubR1は腎臓におけるAGTR1発現を制御することで、AngⅡ誘導性血圧上昇に重要な働きを有すると考えられ、大動脈中膜肥厚の抑制も認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性にBubR1発現を軽度低下させると、Ang II刺激による腎臓でのAGTR1過剰発現が抑制され、血圧上昇が軽減された。腎近位尿細管細胞におけるBubR1低発現の降圧効果は、AGTR1やNox 4の過剰発現の抑制によるものである。腎特異的なBubR1発現低下は、AGTR1拮抗作用によって、高血圧発症や腎臓でのAGTR1過剰発現を抑制する新規治療方法となり得る。この治療法は、降圧療法として有用なだけでなく、潜在的な心腎機能保護にもなり得る。AngⅡ誘導性の血圧上昇は、BubR1とNox4発現の上昇を介した腎臓におけるAGTR1の過剰発現によって引き起こされている。
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