研究課題/領域番号 |
19K09269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大澤 晋 岡山大学, 大学病院, 講師 (20643414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HMGB-1 / HRG / 人工心肺 / 心臓血管手術 / ヘパリン / プロタミン / 炎症反応 / 心臓大血管手術 / 先天性心疾患 / 臓器保護 / HMGB1 / 溶血 / 心筋虚血 / 血中濃度 / サイトカイン / 心臓手術 / 心臓血管外科 |
研究開始時の研究の概要 |
HMGB1は活性化された樹状細胞・マクロファージ、あるいは壊死細胞から細胞外に放出 され、炎症反応惹起、組織障害、組織の修復、動脈硬化等様々な炎症関連機序に関与して いる。一方、HRGはHMGB1と直接結合する血漿グリコプロテインであり、HMGB1の多様な作用に対し強い拮抗活性を示す物質である事が知られている。当研究室では、これまで小児先天性心疾患の人工心肺使用手術におけるHMGB1/HRGバランスを調査するPreliminary Study を施行し、有意な変動を見出している。この度の研究では、それらの変動が持つ臨床的意義を明らかにし、バイオマーカーおよび治療ターゲットとしての可能性を模索する。
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研究成果の概要 |
小児心臓血管外科の人工心肺(CPB)使用手術中のHigh Mobility Group Box-1(HMGB-1)とその抑制物質Histidine Rich Glycoprotein(HRG)の動態について検討した。対象症例は小児の心房手術欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症、共通房室弁口の2心室型根治術に限定した。HMGB-1は開胸手技で軽度上昇し、CPB使用後に急上昇、MUF施行後に下がり、さらに術後1日目にはBaselineに復帰した。一方、HRGはCPB使用後に激減し、MUFで増加、さらに術後1日目にBaselineに復帰した。この減少幅は、血液希釈では説明がつかないレベルであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、小児心臓手術中の、HMGB-1とHRGの血中濃度の変化が明らかになった。HMGB-1は予想通り、手術侵襲、及び人工心肺による侵襲で大きく上昇しているが、MUFで一部除去されるか? HRG濃度の上昇に伴い、減少することが示唆された。一方、HRGは人工心肺開始と同時に大きく減少した。もちろん人工心肺に充填した英機体による希釈の影響はあると思われるが、希釈だけでは説明できない減少であった。ヘパリンはHRGに結合して、注する作用があり、Vitroでもヘパリンを付加する事でHRGの減少を認めたため、人工心肺でのヘパリンの使用はHRGを減少させ、HMGB-1上昇を助長する可能性が示唆された。
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