研究課題/領域番号 |
19K09304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
梅北 善久 鳥取大学, 医学部, 教授 (80244226)
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研究分担者 |
坂部 友彦 鳥取大学, 医学部, 助教 (50639747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Maspin / 肺扁平上皮癌 / 細胞内局在 / 細胞間接着 / 細胞浸潤 / 浸潤 / EMT / 肺癌 / 扁平上皮癌 / 不良予後 |
研究開始時の研究の概要 |
肺扁平上皮癌(SCC)は、肺腺癌に比し分子標的療法の種類が少なく、新たなターゲットが求められている。Maspinは癌の浸潤・転移を抑制する遺伝子として見いだされたが、申請者らは細胞質のみに発現するMaspin(cytMaspin) がヒト肺SCCの独立した予後不良因子であることを報告してきた。本研究では、cytMaspinがヒト肺扁平上皮癌の悪性度に関わる分子機構を解明すると共に、未だ明らかになっていないMaspinの細胞内局在制御機構を明らかにすることを目的としている。本研究の成果は、肺SCCの新たな分子標的治療薬を開発する上で、基礎的データになることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、腫瘍細胞に対する機能が細胞内局在依存的に変化するmaspinの非小細胞肺癌における役割を検討した。Maspinの細胞内局在制御機構が、一部の細胞株で破綻していることをMaspin安定発現株の樹立によって明らかにした。また、核と細胞質にmaspinを発現するLK-2-maspin、A549-maspinでは細胞浸潤能の低下を認めたのに対して、細胞質で発現を示すRERF-LC-AI-maspin、RERF-LC-KJ-maspinでは細胞浸潤能の有意な増加を認めた。さらに、A549-maspinでの細胞浸潤能の抑制には、N-cadherin発現の低下が関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでmaspinは癌抑制遺伝子としての機能が注目されていたが、本研究によって癌に対する機能は細胞内局在に応じて変化し、抑制的に働くだけでなく促進的にも働くという新たな知見を得た。そのため、本研究結果は癌細胞生物学における新たな研究領域の確立に貢献するものであると考えている。また、細胞質に局在するmaspinは、癌細胞の悪性度に対して促進的に働くため、maspin発現を変化させることなく核内への移行を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する新たな作用機序を有する新規癌治療薬開発の基盤研究となると考えている。
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