研究課題/領域番号 |
19K09328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
前川 拓治 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (10336167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 心筋虚血再灌流 / 肥大心 / セボフルラン / ROCK / ラット肥大心モデル / 左室圧ー容量曲線 / 左室圧-容量曲線 / 心筋保護 |
研究開始時の研究の概要 |
今回、病的心筋肥大の形成に重要な役割を果たすとされるRho-A/Rho-kinase経路(ROCK)に着目し、肥大心における薬理学的コンディショニング効果減弱のメカニズム解明とその対処法について検討する。具体的には、圧負荷によって心筋肥大を惹起させたラットの心筋虚血再灌流モデルを用いて、薬理学的コンディショニングにおけるROCKのかかわりについて検討する。保護効果の検討においては、心筋梗塞サイズの検討に加え、圧―用量曲線の解析を用いた左室ダイナミクスについても評価する。
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研究成果の概要 |
今回、病的心筋肥大の形成に重要な役割を果たすとされるRho-A/Rho-kinase経路(ROCK)に着目し、肥大心における薬理学的コンディショニング効果減弱のメカニズム解明とその対処法について検討した。セボフルランが正常心において薬理学的コンディショニング効果を発揮することはよく知られている。今回、ラットの心肥大モデルを用いて、セボフルランの心コンディショニング効果が正常心と比較して減弱することを示した。この減弱機序について、ROCKの関与を証明すべく現在追加実験を行っているところである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々麻酔科医にとって、病的肥大心を有する患者は比較的遭遇頻度が高く、特に心臓手術や近年増加している経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の麻酔管理など心筋虚血再灌流保護を期待する場面も多いと考えられる。心筋保護の失敗は予後の悪化を招く。周術期において心コンディショニング法の臨床応用が発展しない理由として、肥大心を含む病的心における保護法が確立していないことが挙げられる。病的心に対する確実な保護法の確立は、今後の課題であり、臨床応用の拡大に大いに寄与する。したがって、本研究の成果から、肥大心に対する有効な保護法を確立することは、高齢者の心臓手術やTAVIの周術期管理に大きく貢献する。
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