研究課題/領域番号 |
19K09333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
岸岡 史郎 和歌山県立医科大学, 薬学部, 学長特命教員(特別顧問) (60137255)
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研究分担者 |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マクロファージ / 神経障害性疼痛 / DREADD / 末梢神経 / 神経炎症 / サイトカイン / アロディニア / 坐骨神経 / 糖尿病 / 化学療法薬 / 慢性疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では化学遺伝学的手法を用いて炎症性マクロファージを特異的に調節し、神経障害性疼痛の病態分子基盤を担うマクロファージの詳細な役割を解明する。神経傷害、2型糖尿病ならびに抗がん薬投与などの異なる神経障害性疼痛モデルにおけるマクロファージの病態生理学的意義を検討し、その普遍的重要性を明らかにする。これらの神経障害性疼痛病態におけるマクロファージ特異的阻害の有効性を総合的に理解し、臨床応用を視野に入れた新規治療戦略の可能性を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究では、神経障害性疼痛に共通する責任細胞としての炎症性マクロファージの役割に着目した。末梢神経傷害、糖尿病性、抗がん薬誘発性の神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、それぞれの病態において炎症性マクロファージが重要な役割を果たすことを、免疫組織化学析、遺伝子発現解析、行動解析などの手法を用いて明らかにした。また健常マウスの末梢神経において炎症性マクロファージが増加すると痛覚閾値が低下し、アロディニアが惹起されることも示した。マクロファージ抑制薬は、病態の進行度に関わらずアロディニアを抑制したことから、神経障害性疼痛の治療において有望である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経障害性疼痛の病態形成・維持に重要な役割を果たす因子は多数知られているが、各々の病態生理学的意義についての解釈は複雑である。本研究において、傷害末梢神経に集積する炎症性マクロファージを薬理学的に抑制すると、成因の異なる様々な神経障害性疼痛が改善することを明らかにした。この結果は、神経障害性疼痛の分子基盤に迫ると共に、新たな臨床応用の可能性を提唱するものであり、本研究の学術的意義と社会的波及効果は高いと考えられる。
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