研究課題/領域番号 |
19K09335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
飯島 典生 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00285248)
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研究分担者 |
浜田 俊幸 国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (20360208)
山口 剛史 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (50726510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 概日時計 / 吸入麻酔 / sevoflurane / 視交叉上核 / 脈絡叢 / Per2 / 位相変更 / 概日リズム / 第四王室脈絡叢 / 側脳室脈絡叢 / 松果体 / アクアポリン1 / 全身麻酔 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は「脳内にある麻酔薬の影響を受ける概日時計(視交叉上核)は麻酔から解除される際に“麻酔薬の影響を受けない概日時計”により時刻が修正されるのではないか」と仮説を立てた。麻酔薬に影響を受けない時計の候補として脈絡叢、松果体を挙げた。個々の概日時計への麻酔への影響、時計同士を組み合わせた上での麻酔薬への影響を検討することで、脳内の複数の概日時計の間の相互作用、概日時計ネットワーク全体としての麻酔への影響を理解する。
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研究成果の概要 |
全身麻酔による概日時計の攪乱からの回復に注目して、様々な時刻にPer2::dLucラットにsevoflurane麻酔をおこない、迅速にSCN切片を作成して概日リズムの進遅を検討した。どの時刻に麻酔しても概日リズムの有意な進遅は認められなかった。この結果はSCN自体に麻酔による攪乱を修正する機構が備わっていることを示している。一方でSCNとは別組織で安定した概日リズムを示す脈絡叢に関しても同様の実験を行った。脈絡叢の概日リズムはsevoflurane 麻酔により位相が後退し、その回復には数日を要した。以上よりSCNの概日時計は麻酔処理による攪乱からの回復において優れていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身麻酔は通常の睡眠のような充足感がなく、手術後に時差ぼけ・気分障害等が生じることが報告されてきた。我々は今までに本研究計画を含め、わが国で最も汎用されているsevofluraneが概日時計に影響すること示す報告を行ってきており、上記症状に関して概日時計の攪乱による可能性として説明できると考えている。全身麻酔による概日時計への影響の詳細を解明することは、概日リズム安定化による上記症状の予防へと繋がることを期待している。
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