研究課題/領域番号 |
19K09361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
木田 康太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70385318)
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研究分担者 |
山田 真吏奈 日本体育大学, 保健医療学部, 准教授 (70508621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脊髄虚血 / 遅発性対麻痺 / 二酸化炭素 / 胸部大動脈瘤 / 胸腹部大動脈瘤 / 脊髄保護 / 虚血再灌流障害 |
研究開始時の研究の概要 |
二酸化炭素(CO2)吸入による中枢神経保護作用を発展させ、脊髄虚血後の遅発性対麻痺に対するCO2の保護作用を明らかにする。具体的にはマウス脊髄虚血モデルを作成し、虚血中より二酸化炭素の吸入を開始する。二酸化炭素吸入群では遅発性対麻痺が起こらないこと確認し、脊髄保護作用の作用機序を明らかにするため、レーザードップラーによる脊髄血流の測定、脊髄におけるCaspase 3の活性化、マイクログリアの活性化の検討を行う。
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研究実績の概要 |
胸部・胸腹部大動脈手術の術後に起こる遅発性対麻痺は解決されていない問題である。申請者らはこれまでに、二酸化炭素吸入による中枢神経の保護作用に着目し、二酸化炭素吸入がマウス蘇生モデルの予後を改善することを世界に先がけて発見した。さらに、これらの成果を脊髄の虚血性神経障害に応用したところ、二酸化炭素吸入が遅発性対麻痺に対して非常に強い予防効果を示すことが明らかになった。本研究の目的は、二酸化炭素の脊髄保護の作用メカニズムを生体および分子レベルで解明し、大動脈手術後の遅発性対麻痺に対する、これまでにない新しい脊髄保護戦略として臨床応用につなげることである。 遅発性対麻痺発症の メカニズムは完全に明らかになっていないが、申請者らは脊髄保護の機序として『二酸化炭素吸入は脊髄虚血モデルで脊髄血流を増加させる』との仮説を立て検証を行った。 マウス一過性脊髄虚血モデルで二酸化炭素吸入により脊髄血流が増加するかを調べるため、レーザードップラーを用いて脊髄血流を測定した。 具体的にはマウスを麻酔後、レーザードップラーのプローべを第1/第2腰椎間に固定し、その後脊髄虚血モデルを作成し二酸化炭素吸入が虚血中・虚血後の脊髄血流を増加させるかの検討を行った。 レーザードップラーを用いた脊髄血流測定の結果、二酸化炭素吸入は再灌流後の脊髄血流を増加させることが明らかになった。二酸化炭素吸入による脊髄保護の機序として、脊髄血流の増加が関与している可能性が示された。 2021年度は、引き続きラット脊髄虚血モデルの作成を行なったが、マウスモデルと同程度の再現性のある遅発性対麻痺モデルの作成が困難であった。2022年度は、脊髄虚血時間の見直しを行い条件の再検討を行なった。この研究により多くの知見が得られたが、いまだラット脊髄虚血モデルの構築は完成しておらず、今後も継続してラットモデルの検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット脊髄虚血モデルの条件検討に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きラット脊髄虚血モデルの条件検討を行い、ラットモデルの完成を目指す。すでにマウス遅発性対麻痺に対する二酸化炭素吸入の脊髄保護効果が確認されているため、急性対麻痺に対する脊髄保護作用についての検証も行う。
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