研究課題/領域番号 |
19K09384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
葛巻 直子 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (10507669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 線維筋痛症 / iPS 細胞 / 知覚神経細胞 / ドパミン神経細胞 / 知覚神経 / ドパミン神経 |
研究開始時の研究の概要 |
線維筋痛症は全身の激しい疼痛を主症状とし、疲労感、うつ症状や睡眠障害といった様々な症状が併発する疾患である。原因は「脳」にあるのではないかと議論されているが、統一した見解が得られず、未だ原因が不明である。そこで、本研究課題では、線維筋痛症の病態を細胞生物学的に明らかにするために、線維筋痛症患者 iPS 細胞あるいは体細胞から、中脳ドパミン神経あるいは末梢知覚神経へと分化誘導し、細胞種横断的に、器質的あるいは機能的変化の網羅的比較解析を行う。さらには、同定した疾患関連分子を標的として、細胞種特異的に遺伝子組換えを行い、線維筋痛症動物モデルの作製を試みる。
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研究成果の概要 |
線維筋痛症は、全身の広範囲にわたって慢性的な原因不明の激しい痛みを生じる疾患であり、身体症状や精神症状など様々な随伴症状を伴うことが知られている。本研究では、iPS 細胞分化誘導技術を応用し、線維芽細胞由来 iPS 細胞から知覚神経細胞あるいはドパミン神経細胞へ分化誘導し、線維筋痛症病態解析を行った結果、線維筋痛症の複合的な症状発現には、脳内における機能変容のみならず、知覚神経内変容も惹起されていることが明らかになった。以上、本研究の結果より、更なる検討は必要であるものの、激しい痛みを緩和するためには、精神症状の緩和のみならず、知覚神経の応答制御も重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ストレスなどの環境要因による脳内の異常応答が線維筋痛症における激しい痛みに繋がると考えられるが、実際にどのような神経が障害され、神経細胞内においてどのような変化が生じているのか、明らかとなっていない。本研究により、脳内における機能変容のみならず、知覚神経内変容も誘導されている可能性が示唆された。今後詳細な検討は必要であるが、線維筋痛症病態を緩和するためには、精神症状の制御のみならず、痛覚過敏症状への適切な対応も必要であると推察される。
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