研究課題/領域番号 |
19K09388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 純真学園大学 (2021-2022) 九州女子大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
松井 智浩 純真学園大学, 検査科学科, 准教授 (50314828)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 脳微小血管内皮細胞 / ケモカイン / ドコサヘキサエン酸 / エイコサペンタエン酸 / タイトジャンクション蛋白 / 血液脳関門(BBB) / 脳低温療法 / 新生児低酸素性虚血性脳症 / 脳障害 / リノール酸 / VEカドヘリン / TNF-α / IL-17 / 脳血管内皮細胞 / 接着因子 / T細胞 / マイクログリア / ω3系脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳低温療法の改良や新規治療法への開発に向け、栄養学的見地からアプローチを行うものであり、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)等のω3系多価不飽和脂肪酸(以下、ω3系脂肪酸)に着目する。具体的には、ω3系脂肪酸が、マイクログリアおよびT細胞の炎症反応を抑制するのか、また、脳血管内皮細胞の接着因子/ケモカイン発現を抑制するのか、その他、血液脳関門(BBB)を構成するタイトジャンクション蛋白発現やBBB透過性にどのような影響を及ぼすのかを細胞培養系で検討した上で、新生児低酸素性虚血性脳症モデルを用いて、脳低温との併用も検討し、応用的知見を得る。
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研究成果の概要 |
脳虚血等による脳障害には、末梢性炎症細胞の脳内への浸潤が大きく関わる。その浸潤には、脳微小血管内皮細胞に発現するケモカインやタイトジャンクション蛋白が重要な役割を担う。よって、それらの発現を抑制することにより、脳障害を軽減できる可能性がある。エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)等のω3系脂肪酸には、抗炎症作用や血管保護作用がある。そこで本研究では、それらが脳微小血管内皮細胞のケモカインやタイトジャンクション蛋白発現に及ぼす影響を調べた。その結果、ω3系脂肪酸は、炎症刺激によるケモカイン発現の増加は抑制したが、タイトジャンクション蛋白発現の低下には影響しなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、新生児低酸素性虚血性脳症に対しては脳低温療法が唯一、神経学的予後を改善する有効な治療法であるが、全ての患者に容易に適用されるわけではない。低温に曝すことによる副作用の問題もある。よって、本療法がより有効かつ応用の利く治療法へと確立される必要性や新たな治療法の開発が望まれる。報告者は栄養学的アプローチは安心かつ安全で多くの患者に適用され、新しい治療(介入)戦略として有効なものになると考え、今回ω3系脂肪酸に着目し研究を行った。得られた成果であるω3系脂肪酸による脳微小血管内皮細胞のケモカイン発現の抑制は低温による作用と同じであるため、本栄養素を用いた本課題に対する研究の展開が期待される。
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