研究課題/領域番号 |
19K09401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
西井 基継 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20383573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 自己免疫応答 / 心筋炎 / ウイルス受容体 / 血管内皮 / 心臓間質 / 心筋症 / 接着分子 / 線維化 / コクサッキー受容体 / 劇症型心筋炎 / コクサッキーアデノウイルス受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
致死的な劇症型心筋炎の治療法開発は、ウイルス感染と引き続く自己免疫応答という複雑な免疫機序により、困難なものとされてきた。しかし、近年、心筋炎惹起ウイルスとして一般的なコクサッキーアデノウイルスに対する受容体(CXADR)が心臓や血管内皮等で同定された。CXADRを介した細胞間分子結合は、コクサッキーウイルスの心筋内侵入と共に炎症細胞の血管内皮を介した組織浸潤に重要であることが示された。さらに、我々の先行研究ではCXADRが自己免疫応答の進展とも関連している可能性が示唆された。そこで本研究では、CXADRを介した分子結合の制御という新しい観点から劇症型心筋炎の治療法を開発する。
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研究成果の概要 |
心筋炎は心筋を主座とした炎症性疾患であり、心原生ショックという生命危機を来す劇症型心筋炎に移行する。本研究では、治療標的分子として心筋炎を惹起する代表的なコクサッキーウイルスに対応する受容体(CXADR)に注目した。マウス自己免疫性心筋炎モデル(EAM)において、CXADR発現は心筋炎極期においては血管内皮細胞および心臓間質に強く、心筋炎後には間質の発現は低下していた。故に、CXADRは心筋炎の発症進展において重要である可能性が示唆された。現在、血管内皮あるいは間質特異的CXADR欠損マウスを作製しており、今後はEAMを誘発することでCXADRのEAMにおける機能的意義を検討する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義に関して、CXADRは、心臓炎症および炎症後心筋細胞外マトリックス代謝における新たな制御分子として作用することが明らかとされる。さらに、ウイルス受容体の心不全治療標的としての新たな意義が明らかとされる。 社会的意義として、最近心不全患者患者急増しており、今後パンデミックを引き起こすことが厚生労働省の調査により試算されている。このような背景から、本研究によりCXADRの治療的意義が明らかとされれば、心不全パンデミックの軽減および抑止に繋がり、この結果医療経済学的にも有効な影響を及ぼすことができる。
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