研究課題/領域番号 |
19K09424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 熱中症 / 横紋筋融解 / 急性腎障害 / ミオグロビン / 血管内皮細胞 / 多臓器障害 / ヘム / ヘモペキシン / 遊離ヘム / 血小板 / hemoglobin / myoglobin / hemopexin / lactate dehydrogenase / endothelial cell / cell death / ヘモグロビン / 尿細管細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は未だ明らかとなっていない横紋筋融解症における急性腎障害の発生機序を解明し、その治療手段を開発することにある。腎障害の発生メカニズムの検討は、完成された腎不全状態における病理組織学検査では困難である。われわれは、腎障害の成立過程をリアルタイムに観察することにより、時間経過とともに出現する現象から発生機序を明らかにしていくことを試みる。
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研究成果の概要 |
熱中症の増加に伴い横紋筋融解のリスクが高まりつつある。今回横紋筋融解における臓器障害のメカニズムをミオグロビン(Mgb)やヘムとの関連から検討した。ヘモグロビン(Hgb)/Mgbによる腎糸球体血管内皮細胞の直接障害に関しては、Hgb 4,000μg/mLあるいは Mgb 2,000μg/mLで顕著な細胞死の誘導が確認された。上記変化は用量依存性であり、よってHgb/Mgbには直接的な腎糸球体血管内皮細胞障害作用がみられるものの、熱中症による横紋筋融解でみられる血中Mgb濃度は20μg/mL程度であることから、臨床的にはMgbが直接糸球体障害をきたしているとは考えにくいと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化に伴う熱中症の増加は喫緊の課題となっている。熱中症における急性腎障害の成因には横紋筋融解に伴うミオグロビンの逸脱による腎糸球体への直接障害と脱水や凝固異常による二次的障害が考えられている。今回の検討により、ミオグロビンやヘモグロビンなどのヘム関連蛋白には内皮細胞に対する直接的な障害作用がみられることが確認された。しかし実際に熱中症症例でみられる程度の血中濃度では腎糸球体血管内皮細胞に対する障害作用は軽度であり、熱中症においては、それ以外の要因との複合的作用によりって急性腎障害が発症していることが推測された。
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