研究課題/領域番号 |
19K09439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
服部 友紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90363936)
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研究分担者 |
橋谷 光 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10315905)
高橋 広城 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 敗血症 / 血管内皮由来過分極反応 / EDHF / LPS / 微小電極法 / エンドトキシンショックモデルラット / 内皮依存性過分極成分(EDHF) / 一酸化窒素(NO) / 大網内細動脈 / 敗血症モデルrat / 腸管 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腸管由来敗血症患者に対する 開腹手術から得られる大網内細動脈を用いて微小電極法によるEDHF反応から同患者の血管内 皮傷害を検討する。 具体的には、 1、腸管由来敗血症患者のEDHF反応は傷害されているか? について、開腹手術(腹腔内洗浄・ドレナージ、腸管切除)時に切離される大網内細動脈を用 いて微小電極法により本質的に評価・検討し、 2、EDHFの傷害の有無・程度は、患者の重症度や治療成績に反映されるか? について、1の結果及びカルテ経過記録により検討する
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研究成果の概要 |
血管内皮細胞障害が病態の本質である敗血症において、最も重要な弛緩因子である血管内皮依存性過分極反応(EDH)に関する研究報告はない。穿孔性腹膜炎に起因する敗血症患者に対する準備段階として、まずはLPS(5mg/kg)投与モデルラットの右胃大網動脈を用いて微小電極法によりEDHについて検討した。 アセチルコリンで誘発されるEDHはLPS投与直後から抑制された。投与3日後以降で回復し、早期の回復にはNOが補完的に作用していた。またEDHは2成分(SK、IK)で構成されるが本病態下ではIK成分のみが抑制されていた。一方SK成分はIK抑制を補うように作用し(反応が増大し)EDHは維持されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管内皮細胞は3つの重要な弛緩因子(一酸化窒素、プロスタサイクリン、血管内皮由来過分極因子;EDHF)により組織血流を維持するがこれらのうちEDHFはより細い動脈で作用しており最も重要である。敗血症の主病態は血管内皮障害であり、全身組織への血流障害から多臓器不全に至る。敗血症病態においてEDHFを研究することは必須であるが、過分極反応という電位変化を捉える特殊な実験系が必要で着手することが困難なため研究報告は皆無という状況であった。本研究成果はLPSで傷害されたEDHの回復過程にNOとSK/IK反応を解明した世界初の結果であり、未だ致命率の高い敗血症病態を解明する重要な知見になりうる。
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