研究課題/領域番号 |
19K09449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 修平 山形大学, 医学部, 助教 (90637175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膠芽腫 / EGFR-TKI / ドラッグリポジショニング / ブレクスピプラゾール / ルラシドン / サバイビン / 神経伝達物質 / がん幹細胞 / 抗精神病薬 / 薬剤抵抗性 / グリオブラストーマ / 薬剤耐性 / スピロノラクトン / osimertinib |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、治療困難な脳腫瘍の代表格である「グリオブラストーマ」を対象とした新規治療方法樹立を目指した研究です。グリオブラストーマでよくみられる「EGFR」という部分をターゲットとした「タグリッソ」という副作用の少ない薬を転用する研究ですが、効きそうにみえるものの、そのままではすぐに効きません。そこで、どうして効かないのか? を問いつつ、同時にタグリッソ+αという治療方法でグリオブラストーマ根治を狙います。その「α」が、安くて、副作用が少なくて、そもそも脳腫瘍の症状コントロールにとっても魅力的な薬で樹立できないか? という内容の、脳腫瘍研究を行う腫瘍内科医ならではの治療戦略研究です。
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研究成果の概要 |
本研究課題において、患者に優しい抗がん剤の一つである第三世代EGFR-TKIオシメルチニブを用い、難治性腫瘍の代表である膠芽腫を治療する方法を報告するに至った。培養細胞および実験動物を用いた実験系において、オシメルチニブと気持ちの辛さを取ることにも使われるブレクスピプラゾールなどの新規抗精神病薬を併用することで、効率的に、さらに目立った毒性を認めずに抗悪性腫瘍効果を得ることに成功し、その成果を報告した。今後さらに発展的課題に挑戦していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の重要な点は3つある。まず第一に治療標的となりそうと捉えられるものの治療開発が容易には進まなかった、膠芽腫におけるEGFRを治療標的とした知見であり本報告を嚆矢として更に画期的な治療開発がなされる可能性がある。第二に、殺細胞性抗がん剤を用いると嘔気や倦怠感、末梢神経障害などで患者の生活の質は著しく阻害されるが、本課題は第三世代EGFR-TKIを用いることで有害事象の点で有利である。第三に、患者の気持ちの辛さを改善し得る薬剤であるブレクスピプラゾールを用いることにより、精神的ケアにもつながる可能性を有している点である。
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