研究課題/領域番号 |
19K09458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 史朗 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20420531)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | glymphatic pathway / intracranial pressure / Glymphatic pathway / Intracranial pressure |
研究開始時の研究の概要 |
マウスの大槽を穿刺し頭蓋内圧の測定および調整を行う。 頭蓋内圧は正常脳圧、30mmHg、50mmHgの3群に分ける。脳灌流圧は各群で差が無いよう血圧を調節し正常域である60-70mmHgに保つ。以上のような条件下で脳代謝に関わるGlucose, Lactate, Glutamate等の脳細胞外濃度をバイオセンサーを用いて計測することで、頭蓋内圧上昇により脳代謝産物の蓄積の有無を検討する。また放射性同位元素でラベルしたトレーサー(125I-amyloid β, 14C-inulin)を尾状核に注入し頭蓋内圧がGlymphatic pathwayのクリアランスに与える影響を評価する。
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研究成果の概要 |
今回我々はマウスの脳圧を人為的に調整するモデルを用い、脳圧上昇がglymphatic pathwayの機能障害を招くことを研究した。Glymphatic pathwayは髄液腔から脳実質への取り込み、拡散、排出の3段階からなるためそれぞれにおいて蛍光色素で標識したトレーサーを用いその機能状態を確認した。その結果、脳圧を50mmHgに上昇すると、正常圧に比べその3段階全てにおいて障害されており、脳圧上昇はglymphatic pathwayの機能障害を招くことが脳神経障害の機序の一つであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回我々は、脳圧の過剰な上昇が招く脳神経障害の新たな機序を発見した。脳圧上昇は頭部外傷、脳卒中に限らず脳腫瘍や感染症、水頭症など脳疾患の多岐に渡り合併しうる病態である。さらに最近は特発生頭蓋内圧亢進症という原因不明の頭蓋内圧上昇により失明などをきたす疾患が報告され注目されている。今回の我々の発見は、それらの疾患の病態を明らかにするだけでなく、今後の新たな患者管理や治療方法の開発につながる大きな一歩である。
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