研究課題/領域番号 |
19K09464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉田 一成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 名誉教授 (70166940)
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研究分担者 |
佐々木 光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70245512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 悪性髄膜腫 / 異型髄膜腫 / 遺伝子発現プロファイル / がん遺伝子パネル検査 / 異種移植 / 幹細胞 / 培養 / 髄膜腫幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性髄膜腫はしばしばしば再発・転移を繰り返す、最も治療困難な頭蓋内腫瘍のひとつであり、新規治療法の開発が必要である。本研究では、①悪性化に関連する分子経路と②髄膜腫幹細胞 の2つを治療標的とし、悪性髄膜腫に対する新規治療法開発を目標とする。当院の悪性髄膜腫55症例を対象として、CGH法による染色体コピー数異常検索とがん関連遺伝子パネル検査を行うことにより、再発や生存期間と相関する染色体・遺伝子異常を検索する。新鮮腫瘍の初代培養を継続し、髄膜腫幹細胞株を樹立し、その特性を検索する。これらにより治療標的となりうる分子経路などが解明されれば、現有する培養株、マウス移植片において、治療効果を検討する。
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研究成果の概要 |
20例以上の悪性髄膜腫および典型的な経過の良性髄膜腫8例において、遺伝子発現プロファイル解析、それに基づく階層クラスタリング、さらに、がん遺伝子パネル検査を行なった。遺伝子発現プロファイルに基づく階層クラスタリングでは、悪性髄膜腫は3群に分類された。また、スフェア形成能のある、幹細胞性質をもつ悪性髄膜腫株を樹立、SCIDマウスへの異種移植に成功した。樹立した細胞株および市販の髄膜腫株の2株において、阻害薬投与実験を行なった。悪性髄膜種を悪性化メカニズムにより分類し、それぞれに対して効果的な治療法を確立すべく、解析を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
WHO分類Grade 2/3の異形性・退形成性髄膜腫(悪性髄膜腫, 国内で約500人/年発生)は、手術および放射線治療を行っても高率に局所再発あるいは頭蓋内・外転移を繰り返す、最も治療困難な脳腫瘍のひとつであり、有効な新規治療法を開発することが急務である。現状では、たとえ保険診療がん遺伝子パネル検査で治療標的となる遺伝子異常が発見されても、施行可能な治療は、NCCH1901試験等への参加による分子標的薬単剤治療である。悪性化メカニズムによる悪性髄膜腫の分類、そしてその各群に対する適切な治療薬の組み合わせが確立されれば、先進医療などの枠組みにより、新たな治療法が提供できる可能性がある。
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