研究課題/領域番号 |
19K09465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
梅村 淳 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (00244567)
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研究分担者 |
堀場 充哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30598793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | パーキンソン病 / すくみ足 / 経頭蓋直流電気刺激 / 歩行障害 / 経頭蓋直流電気刺 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)におけるすくみ足は最も厄介な症状の一つであり、転倒の主因となり患者の日常生活動作を著しく低下させる。従来のドパミン作動性薬剤を中心とした薬物療法や、脳深部刺激療法による効果は乏しく新たな治療法の開発が望まれている。近年すくみ足の病態として大脳皮質や小脳の機能異常が指摘されている。経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は頭皮上に設置した電極から微弱な直流電流が頭蓋骨を通過し、電極直下の皮質興奮性を修飾する非侵襲的刺激法である。本研究では、tDCSによる大脳皮質や小脳に対するニューロモデュレーションがパーキンソン病のすくみ足を改善させうる可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
すくみ足を呈するパーキンソン病(PD)患者の歩行に対する経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果を検証するための探索的介入研究を行った。補足運動野(SMA)および一次運動野(M1)に対する刺激効果を検証した。 30秒間歩行距離、10m自然歩行、360°回転試験の解析ではtDCS刺激による歩行改善効果は認めなかった。一方、TUG testでは所要時間およびステップ数においてSMA刺激でのみsham刺激に対して有意な改善効果を認めた。TUG testは直線歩行能力に加えて方向転換や起立・着座能力まで含めた評価であり、SMA刺激がすくみ足を呈するPD患者の日常生活機能を改善する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)におけるすくみ足はその運動症状の中でも最も厄介な症状の一つで、転倒の主因となり患者の日常生活動作を著しく低下させる要因である。その治療は困難を極め、従来の治療法による効果は乏しく、新たな治療法の開発が望まれている。今回の成果は経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による補足運動野(SMA)のニューロモデュレーションがすくみ足を呈する PD 患者の実際的な歩行能力を改善させる可能性を示した。tDCS装置は比較的安価で小型軽量で患者自身が取り扱うことも可能であることから、今後はPD患者の歩行リハビリなどへの活用も期待できる。
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