研究課題/領域番号 |
19K09470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
下里 修 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 室長 (30344063)
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研究分担者 |
井内 俊彦 千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 部長 (80370881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / CD133 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性脳腫瘍の治療抵抗性を克服するために、その本態であることが想定される「癌幹細胞」が発現するCD133の機能を詳細に検討する。すでに樹立されたヒト脳腫瘍細胞株や初代培養細胞株を使って、申請者らが見出したCD133と相互作用することが予想されるアダプター蛋白質群の機能を解析する。また、当該タンパク質の発現を抑制する新規化合物を作製し、脳腫瘍治療への応用を検討する。
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研究成果の概要 |
難治性がんに対する革新的治療法開発の基盤構築として、治療抵抗性の本態と想定されている癌幹細胞の性質を理解することが求められている。そこで本研究は、大腸がんおよび神経膠芽腫(GBM)細胞を用いて、癌幹細胞が発現するCD133の機能を解析した。神経膠芽腫においてはCD133と相互作用するアダプター蛋白質14-3-3ζと脱リン酸化酵素PTPRKの発現がGBM患者の予後に影響する可能性を見いだした。一方、大腸がんにおいては、がん組織内でしばしばみられる栄養飢餓条件におけるCD133の機能を検討した。その結果、CD133は腫瘍細胞の栄養ストレスに対する耐性を高める機能を有することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの発生・進展において幹細胞様の性質を示すがん細胞の亜集団「癌幹細胞」の重要性が示唆されている。CD133は正常幹細胞のみならず多くのがん細胞でも発現し、癌幹細胞の悪性形質と深く関連すると考えられてきたが、その機能は十分に解明されていなかった。本研究によってがん進展におけるCD133の機能の一端が明らかにされたことは、CD133の学術的な意義を明らかにしただけでなく、CD133を起点とした癌幹細胞を標的する新しい治療戦略構築の基盤が形成されたことを示唆する。さらに、難治性がんの治療成績向上につながるなどの社会的意義も示され、今後の基礎研究の進捗が期待される。
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