研究課題/領域番号 |
19K09471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
田中 基樹 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (90584673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 神経ステロイド / 脳保護作用 / プロゲステロン / 神経保護作用 / プロゲステロン受容体 / ネストロン |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞は罹患率が高く、日本人の死因の上位を占めると共に重篤な後遺症を生じさせる重大な疾患だが、未だ多くの患者に適応可能な有効な治療法はない。現在基礎研究で検討されている治療薬候補の多くは、発症前や発症後数時間以内の投与に限った治療効果を報告しており、発症時期が予測困難な脳梗塞に対して有効な治療薬になるとは言い難い。申請者は脳梗塞モデル動物実験において、性ステロイドprogesterone(P4)が、脳梗塞発症半日以上経過後の投与であっても顕著な脳保護作用を発揮することを見つけた。本研究ではP4あるいはP4受容体アゴニストを用いて、実際の臨床現場で「使える」新規脳梗塞治療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
脳梗塞は、日本人の死因の上位を占めると共に重篤な後遺症を生じさせる重大な疾患であるが、未だ多くの患者に適応可能な有効な治療法はない。本研究ではプロゲステロン受容体アゴニストnestoroneに着目し、多くの患者を救える新規脳梗塞治療法の開発を目指した。中大脳動脈閉塞(MCAO)による脳梗塞モデル動物においてnestoroneの有効性を検証したところ、MCAO処置18時間後の投与であっても、nestoroneはMCAO後の運動感覚機能障害を大幅に改善させ、脳損傷領域も有意に減少させた。以上の結果はnestoroneが、脳梗塞に対して有望な新規治療薬となり得ることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)による血栓溶解療法は現在最も有効な脳梗塞治療法であるが、発症4時間半を経過した患者には適応できず、また脳出血発症などの重篤な副作用をもつ。一方nestoroneは、MCAO18時間後の投与であっても有意な脳保護効果を示し、発症後数時間が勝負と言われる現在の脳梗塞治療における限界を打破する可能性を有している。加えてnestoroneは、避妊薬としてアメリカ食品医薬品局から既に認可を受けており、重篤な副作用の懸念も少ないと考えられる。以上より、nestoroneは臨床的に極めて実用性の高い新規脳梗塞治療薬となり得る。
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