研究課題/領域番号 |
19K09497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
浅野 研一郎 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (90312496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍幹細胞 / 駆逐療法 / CCL2阻害剤 / 悪性グリオーマ / 幹細胞駆逐 / Fbxw7 / 炎症性ケモカイン / 腫瘍幹細胞休止期駆逐療法 / 細胞吸着療法 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性グリオーマの治療はブレイクスルー的な根治的治療法はなく治療成績の向上がない。原因は腫瘍細胞の浸潤性の強さと細胞休止期(G0)にある腫瘍幹細胞の存在である。申請者は浸潤に対し腫瘍細胞を吸着させ腫瘍を根絶、排出させる手法は完成した。しかしG0期にある腫瘍幹細胞の存在によりin vivoにて再発を来していた。 そのためSCF複合体型ユビキチンリガーゼの基質認識サブユニットの一つであるFbxw7に注目し、Fbxw7, c-Myc, notch, 炎症性ケモカインCCL2カスケードを利用し、CCL2阻害剤にて処理、G0期から脱した状態で従来の抗腫瘍薬を感作させ、幹細胞系を根絶させ治癒をめざす。
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研究成果の概要 |
悪性グリオーマ細胞の浸潤性の強さを利用し、一カ所に遊走沈着させることにより効率的な治療を目指してきた。しかしin-vivoの実験系で再発があり幹細胞系の遺残が原因と示唆され、CCL2カスケードにてG0期にある幹細胞をG0期から脱した状態で抗がん剤を感作する幹細胞休止期駆逐療法を開発した。 In-vitroにて10~100nmol/ml CCL2阻害剤が至適濃度であることが簡易フローサイトメータのG1レベルで確認された。In-vivoでは周囲の炎症反応とともに腫瘍免疫反応が強く、抗VEGF投与にて脳浮腫を軽減、TMZを投与するモデルを確立した。生存日数の延長を見たが従前群と有為差は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性グリオーマ細胞の性質を逆手にとった治療法の開発である。浸潤性性格を利用し吸着療法をおこない、抗腫瘍薬や放射線の効果が期待できないG0腫瘍休止期をCCL2阻害剤で感受性のある細胞回転期に駆逐して腫瘍根絶を狙う新機軸の治療法である。結果として生命予後の延長が見られているが、有為差は得られなかった。原因としてはこの実験では放射線を使用していないこと、また複雑な腫瘍免疫応答や各種炎症反応が複雑なことが原因と考える。しかしこの新機軸の治療法は他の癌腫での応用も可能であるため、今後さらなる研究の改良と継続が必要である。
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