研究課題/領域番号 |
19K09504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
天野 慎士 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (70464138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自殺遺伝子療法 / 脳腫瘍 / 間葉系幹細胞 / 脂肪細胞 / 脂肪由来間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性グリオーマは脳内を浸潤性に広がる腫瘍であり、外科手術では治癒不能である。放射線療法や化学療法を用いても、その予後は極めて悪く、過去40年間ほとんど改善が見られていない。このような浸潤腫瘍をターゲットに、我々は脳内を自由に遊走し腫瘍に集積する神経幹細胞や間葉系幹細胞をベクターとする自殺遺伝子治療を開発し、その有用性と安全性を検証してきた。いずれの治療においても、大量かつ安全なベクター細胞の調達が課題となっていた。近年、脂肪細胞から間葉系幹細胞への分化研究が進んできている。採取が容易で、自己細胞からの精製も可能なこの細胞をベクターとして用いる研究を行うことを考えた。
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研究成果の概要 |
悪性脳腫瘍に対して、脂肪由来間葉系幹細胞/ganciclovirを用いた自殺遺伝子療法の研究を行った。SDラット脂肪細胞より、間葉系幹細胞を分離した。ラットC6脳腫瘍細胞に対し、herpes simplex virus-thymidine kinaseを導入した脂肪由来間葉系幹細胞tkを用いて治療を試みた。In vitroでは、脂肪由来間葉系幹細胞tk:C6の細胞比率が1:16でも抗腫瘍効果を示し、1:8で腫瘍死滅効果が得られた。In vivoでのラットを用いた研究では、腫瘍縮小効果と、生存曲線の延長が確認された。脂肪由来間葉系幹細胞tk/GCV治療は、効果的な治療であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今まで我々は一貫して、自殺遺伝子療法を用いた脳腫瘍の治療研究にあたってきた。その中で、安定的に供給できるベクターの選択が問題であった。今回、自己からも容易に採取できる脂肪細胞を用いることにより、より臨床への発展が期待できるものとなっている。脂肪細胞由来の間葉系幹細胞を用いることは、今後、他の伝子治療のベクターとして用いることができる可能性を広げるだけでなく、自己由来細胞での治療や再生医療にも応用ができる可能性がある。
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