研究課題/領域番号 |
19K09505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378649)
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研究分担者 |
Thumkeo Dean 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40372594)
平田 英周 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (40761937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍 / リプログラミング / ヒト人工多能性幹細胞 / エピゲノム異常 / INI-1 / SMARCB1 / RAD21 / iPS / AT/RT / 転写ネットワーク / iPS / iPS細胞 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、INI-1不活化に伴うエピゲノム異常がAT/RTの発生メカニズムであるという作業仮説を立てる。そして、human induced pluripotent stem(hiPS)細胞からヒトAT/RT腫瘍モデルを樹立し、腫瘍起源細胞を同定すること、INI-1不活化に伴うエピゲノム異常、それに伴う転写ネットワーク異常を解明すること、治療ターゲットとなる新規標的分子を同定することを目的とする。本研究成果に基づいて、臨床応用を目指したAT/RTに対する新規治療開発研究へと推進する。
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研究成果の概要 |
本研究では、樹立したhiPSCs TP53-/-, INI-1-/-細胞の解析を行い、AT/RT発生にINI-1遺伝子不活化から多能性幹細胞様遺伝子発現が関わること、その維持にRAD21が作用することを同定した。そこで、RAD21の特異的な阻害薬の開発するために、樹立したヒトAT/RT細胞株を用いたRAD21に対するドラッグスクリーニングシステムの開発したが、特異的なRAD21阻害剤の同定には至らなかった。また、AT/RTの全ゲノム解析により、INI-1遺伝子の体細胞変異からエピゲノム異常と遺伝子異常の蓄積がAT/RTの発生、悪性化機構に関わることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
INI-1不活化によるがん化では、p16-RB経路, WNT経路, sonic hedgehog経路、Polycomb経路などの関連が報告されてきた。SWI/SNF複合体の機能解析からクロマチンを基盤とするINI-1の新しいエピジェネティックな機構が示唆されていた。本研究では、INI-1不活化による新しいエピジェネティックな破綻機構として多能性幹細胞様遺伝子発現の維持を提唱した。さらに、INI-1遺伝子の体細胞変異からエピゲノム異常と遺伝子異常の蓄積がAT/RTの発生、悪性化機構に関わることを示したことは、AT/RTの新たな治療開発研究に大きく寄与するものである。
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