研究課題/領域番号 |
19K09513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
末永 潤 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30610365)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経再生 / 虚血 / ミクログリア / 嗅覚障害モデル / IL-4 / lateral olfactory tract / microglia / 嗅神経再生 / インターロイキン4 / DuraGen / 直接吻合 / インターロイキン4 / 嗅覚 / 行動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
嗅神経切断モデルを 開頭、外科的に作成。これを4群に分け、まずは切断神経同士を、直接再縫合する(10-0 nylonで全周性に6針で縫合)。切断神経間に、腓骨神経を介在させこれと端々吻合する、それぞれに、IL-4を散布したコラーゲンシート を周囲に巻き、神経再生の足場となるようにする。 実臨床においては、聴神経腫瘍術後など で顔面神経機能を喪失した場合は、直接吻合、舌下神経との縫合、あるいは腓腹神経を介入させて吻合を行っている。機能改善が多少みられるが、有効な改善にはつながらないのが現状である。
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研究成果の概要 |
開頭による嗅神経損傷モデルを作成。1) 両側嗅球破壊は、嗅覚は永続して消失、2) 両側嗅球線維離断は、一過性で自然回復。3) 一側外側嗅条(LOT)切断+対側嗅球破壊は、切断部位が嗅球からの距離に依存し、嗅球から遠位端では嗅覚障害なし、近位端では一過性障害。4) 両側LOT切断は、嗅球近位側の切断で、一過性中等度の嗅覚障害モデルを作成(n=10, 死亡率30%)。 嗅覚再生実験として1)にcollagen matrix充填では再生なし。2), 3)にIL-4誘導のメラトニンを腹腔投与したが、有意差を持った改善なし。切断部近傍にIba-1陽性のmicrogliaを認め、BDAで線維切断を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COVID-19感染症では、後遺症として嗅覚障害を認める。なぜ中枢神経の中で嗅覚なのか、感染者の中でも障害を遺すかどうかの機序も不明である。今回は嗅神経障害モデルの作成に注力し、一過性モデル作成に成功した。過去にもモデル作成の報告はあるが、ここ数十年変わりなく、また経鼻的に嗅糸の損傷モデルが多い。今回のモデルは頭蓋内脳神経損傷のモデルにも汎用でき、今後ミクログリアの働きをM2に制御・誘導して再生実験をすすめていく上でも、大きな進展と考えられた。科研の3年間は終了したが、現在はin vitroでneural stem cellを単離、継代し、これによる神経再生も引き続き目指している。
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