研究課題/領域番号 |
19K09543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (90451971)
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研究分担者 |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (20323694)
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
平井 高志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40510350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 末梢神経障害 / 後根神経節 / 末梢神経損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴い脊柱、関節変性が進行し、長期の神経圧迫は「神経障害性疼痛」となり治療に難渋する。疼痛の中継点である後根神経節(DRG)の過剰な反応は慢性疼痛の原因となる。今回、疼痛を調節するDRG内の非神経細胞(サテライトグリア、血管内皮細胞)の役割が重要と考えている。遺伝子改変マウスを使用し、慢性疼痛動物モデルの作成、分子生物学的手法を用いることで同細胞の機能を明らかにし、疼痛伝達を制御することで新規治療法を開発していく。
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研究成果の概要 |
腰部DRGの形態を遺伝子改変マウスで確認することができた。野生型マウスを使用した神経障害性疼痛モデルでは、損傷1週目から機械刺激過敏を呈し、3週以降は過敏となっていた。損傷1週後から腰部DRGニューロンは減少し、3週と6週で減少した状態となっていた。サテライトグリア、ミクログリアは、損傷1週後に有意に増加していた。本研究によって神経障害性疼痛の慢性化に神経細胞の減少と非神経細胞の増加の関与が示唆された。また、新規核酸医薬HDO静脈投与によって腰部DRGでの内因性非翻訳領域RNAの発現を90%抑制することができた。今後、慢性疼痛遺伝子プロファイル解析を進め、新規疼痛治療を開発していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎変性疾患や絞扼性末梢神経障害を有していると「神経痛」を訴えることが多く、治療に難渋する。本研究目的は、神経伝達経路の後根神経節(DRG)で慢性疼痛に関与する細胞、分子を探索し、新規治療の開発を行うことである。本研究期間では、DRG内の神経細胞と非神経細胞であるグリアが密接に関与し、疼痛の慢性化に寄与することが明らかになった。さらに新規核酸医薬HDOの静脈注射によってDRGの遺伝子制御が可能となった。今後、DRGを標的としたHDOによる遺伝子制御によって「神経痛」の克服を目指す。
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