研究課題
基盤研究(C)
前立腺癌マウスモデルを用いて動物性脂肪摂取による癌増悪・進展に腸内細菌叢、脂肪組織炎症、血清サイトカイン変化、癌周囲免疫担当細胞浸潤が関連するかを検討し、得られた知見をマウスモデル、細胞実験およびヒト検体を用いvalidationする。癌増殖に対する腸内細菌の関与や、有望な関連分子が同定できたら再びマウスモデルを用いて、癌治療効果を検討する。①動物モデルによる仮説検討②動物モデル、細胞実験、臨床検体による検証③動物モデルによる治療効果確認の3部構成である。
我々は前立腺癌増悪・進展に対する食事・腸内細菌・脂質代謝・免疫のクロストークに注目しマウスモデルでこの可能性を検証した。結果、飽和脂肪酸・単価不飽和脂肪酸を含む食事は2種類の前立腺癌マウスモデルで肥満を誘導するとともに前立腺癌進展を促進し、特に飽和脂肪酸・単価不飽和脂肪酸を多く含む食事では腸内細菌叢の多様性が増し、特にorders Clostridalesとorder Lactobacillalesの腸内細菌叢の著明な変化を引き起こした。また、これらの腸内細菌変化は腫瘍内のコレステロール、脂質代謝関連分子異常と関連し、前立腺癌進展に関連している可能性を見出した
特定の脂質摂取の前立腺癌増悪・進展への分子生物学的関係性が明らかになると、これまで同定されていなかった新規の前立腺癌治療標的発見の足掛かりになるのみならず、食事や肥満といった生活因子や腸内細菌変動による癌治療や癌予防戦略につながる可能性があると考えている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件)
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