研究課題
基盤研究(C)
コーヒーは前立腺癌の進展を抑制することが報告されている。しかし、これまでコーヒーの前立腺癌進展制御機構を明らかにした研究はほとんどない。当研究室では数あるコーヒー成分の中から文献的に6つの有望な成分を選抜し増殖および遊走試験をおこなったところ、カウェオールとカフェストールというジテルペンが前立腺癌細胞に対する強力な増殖・遊走抑制効果を持つことを発見した。これらジテルペンは去勢抵抗性あるいはカバジタキセル耐性へも効果が期待される。本研究では、ジテルペンのこれら耐性細胞への効果および作用機序を明らかにした上で、化合物合成の薬学専門家とともに、より生物学的活性の高い誘導体の開発を試みる。
コーヒーは進行前立腺癌の進展を抑制する可能性が報告されているが、進展制御機構は明らかにされていない。数あるコーヒー成分の中でジテルペンであるカウェオールとカフェストールがヒト前立腺癌細胞に対し強力な増殖抑制効果を発揮した。これらジテルペンは我々が独自に樹立したDU145のパクリタキセル耐性株DU145-TxR(本株はドセタキセルに耐性を持つことを確認済み)と、DU145-TxRのカバジタキセル耐性株DU145-TxR-CxRに対しても有効であった。タキサン耐性には、ジテルペンのターゲットであるCCL2-CCR2の下流の2つのシグナル、STAT3およびAKTが関与していることが示唆された。
本研究では前立腺癌のカバジタキセル耐性機序の一端を明らかにした。この耐性機序はコーヒージテルペンであるカウェオールとカフェストールがターゲットとするCCL2-CCR2の活性化である。以前我々が明らかにした去勢感受性前立腺癌に対するジテルペンの有効性と併せて、前立腺癌の幅広い病期においてカウェオールとカフェストールが病勢進行を抑制することができる可能性が示唆された。現在行き詰まっている進行前立腺癌治療において新たな作用機序の治療法開発につながると考えられる。
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