研究課題/領域番号 |
19K09700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
岩本 整 東京医科大学, 医学部, 教授 (00338831)
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研究分担者 |
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
今野 理 東京医科大学, 医学部, 講師 (50385027)
上野 琢哉 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (00296469)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 腎移植 / 急性拒絶反応 / メタボローム解析 / メタボローム / 抗体関連型拒絶反応 |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植の成績は向上しているが10年生着率は86.0%であり経時的に生着率は低下する。その原因の一つとして拒絶反応が挙げられる。その内、抗体関連型拒絶反応が移植腎の長期予後を妨げる疾患として近年注目されている。そこで本研究では①代謝物の網羅的なメタボローム解析を用いて血清学的診断、病理診断と共に相互補完的に診断の難しい抗体関連型拒絶反応の診断法を含む拒絶反応を始めとする移植腎機能障害の診断法を開発する。②低侵襲に採取できる体液を用いたメタボローム解析による拒絶反応の診断マーカーを探索・評価する事を目的とする。
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研究実績の概要 |
移植腎機能障害で急性拒絶反応(AR)の確定診断は侵襲的な腎生検しかないのが現状である。低侵襲で精度の高い拒絶反応の診断法は腎移植患者にとって非常に有益である。我々は、代謝物を網羅的に測定するオミックス解析技術の一つであるメタボローム解析にて唾液、血液、尿を用いて腎移植後急性拒絶反応診断法のためのマーカー探索に取り組み、候補となる物質の同定を試みた。検討した群は腎移植ドナー群9例、移植腎機能安定群19例、移植腎機能障害群31例である。メタボローム解析したところ血清ではCreatinine、 Urea、guanidino-acetateの濃度が移植腎機能障害群で高かった。一方、 lactate, an end product of gly-colysis, tryptophan (Trp), serine (Ser), leucine (Leu), valine (Val), and tyrosine (Tyr)などの濃度は腎機能安定群で腎機能障害群と比べ低かった。 移植腎機能障害症例の内訳はT細胞拒絶9例、急性抗体拒絶7例、その他の移植腎機能障害7例であった。血清において hydroxyproline, Asp, gluconate, threonate, creatine, 3-indolyl sulfate, ,citrateがT細胞性拒絶群において他の群より濃度が高かった。 3-indoxyl sulfate、trimethylamine N-oxide-related pathwaysが拒絶反応診断のバイオマーカーとなる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で腎移植の症例数自体が減少したため検体数が減った。 しかし、今年後になり腎移植数は増加したため、研究はやや遅れているにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
概ね、検体集めは終了した。英語論文化作業としてドナー群、腎機能安定群、腎機能障害群の群分けによる解析、T細胞拒絶群、抗体関連拒絶群、その他の移植腎機能障害群の群分けによる解析、それぞれに血清、尿、唾液のメタボローム解析を行った。その結果を本年度International journal of Molecular Scienceに投稿アクセプトとなった。2023年度はアメリカ移植学会に発表予定である。
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