研究課題/領域番号 |
19K09707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野原 隆弘 金沢大学, 附属病院, 助教 (20733372)
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研究分担者 |
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二 金沢大学, 附属病院, 講師 (80646787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前立腺癌 / ケモカイン / 去勢抵抗性 / アンドロゲン受容体 / マイクロRNA / 遊走能 / micro RNA / 内臓転移 / リンパ節転移 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌に対するアンドロゲン除去療法はいずれ無効となる。最近は、これまでほとんど見られなかった肺・肝および副腎転移がしばしば見られる。先行研究でアンドロゲン受容体シグナルを抑制すると転移能が高まることを報告したが、その機構は十分解明されていない。本研究では、アンドロゲン受容体シグナルの活性化で抑制され、かつ前立腺癌細胞を活性化する分子を同定し、その制御機構と特異的な転移指向性(肝や肺)を引き起こす機序を解明し、新規治療戦略を構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
CCL2はアンドロゲン受容体(androgen receptor: AR)の活性化状態では抑制されているが、ARが不活化することで自己分泌作用が亢進し、前立腺癌細胞の遊走能を亢進させる。しかし、ARの不活性化でCCL2分泌が亢進する機序は不明であった。本研究ではまず網羅的マイクロRNA(miRNA)解析から複数の候補miRNAを抽出した。その候補の中から、ARシグナルによって発現が亢進し、かつ、CCL2を抑制的に制御しているmiRNAとしてmiR-124-3p.2を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ARによって発現がコントロールされているmiR-124-3p.2がCCL2の抑制を介して前立腺癌細胞の遊走能を低い活性状態に保つ機能を有する可能性を明らかにした。近年、ARシグナルを強力に抑制する治療を行った結果、ARシグナルに依存しない高悪性度の前立腺癌へと変化し、治療抵抗性となることが大きな問題となっている。ホルモン療法を行う場合に、miR-124-3p.2と同様の機能を有する薬を投与することにより、ARシグナルの抑制に伴う前立腺癌の進展を防ぐことができる可能性がある。現在根治の見込めない進行前立腺癌に対する新たな治療のターゲットとして、さらなる研究の促進が見込まれる。
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