研究課題/領域番号 |
19K09712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
白石 晃司 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00535255)
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研究分担者 |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60596823)
大川 恭行 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80448430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 精祖細胞 / トランスクリプトーム解析 / 無精子症 / 単一細胞トランスクリプトーム解析 / テストステロン / エストラジオール / 精子形成 / 網羅的遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
非閉塞性無精子症に対する根本的な治療法は存在しない。In vitroヒト精細管培養による精子形成の確立に向け、ヒト造精機能障害、特にearly maturation arrest症例について顕微鏡下精巣内精子採取術時に採取された精細胞の単一細胞網羅的遺伝子解析を行う。 1)分化・増殖が停止する細胞と正常な細胞の遺伝子発現の比較を次世代シーケンサーを用いて単一細胞レベルで行い、造精機能障害の分子生物学的メカニズムを明らかにする。 2)Leydig細胞を含んだヒト精細管のin vitro培養を行い、培養条件の工夫により精細胞の分化・増殖を生じうるか、また培養後の精細胞の遺伝子発現を解析する。
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研究成果の概要 |
Gene ontology解析およびgene enrichment解析にてこれまで20例での検討結果から、1)DNA合成低下型、2)レセプター発現低下型、3)ストレス反応低下型、4)体細胞型、などのクラスター分類が可能であった。 DNA合成低下型においては、DNA合成を促進すべくゴナドトロピン刺激による治療が可能であった。レセプター発現低下型においては、精巣内テストステロン濃度は低く、精巣内エストラジオール濃度が高かった。つまりアロマターゼ阻害剤の投与による造精機能障害改善効果が期待できた。これらの結果から男性不妊におけるprecision medicineの可能性が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
得られた結果は無精子症のみならず一般的な乏精子症や精子無力症の治療にも応用可能と考えられる。究極的には国家的問題である少子化対策に対する基盤研究ともなりえる。単一細胞トランスクリプトーム解析は、精巣内内分泌環境や臨床的背景および精巣の組織学的所見などを統合するといった新しい観点からの解析により、NOAにおける造精機能障害の病態が俯瞰でき、新規薬物療法の開発を見出す手がかりとなった。
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