研究課題/領域番号 |
19K09749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 美由紀 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70451812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多嚢胞性卵巣症候群 / 不妊症 / 腸内細菌叢 / プレコンセプションケア / 胎内環境 / 卵巣 / アンドロゲン |
研究開始時の研究の概要 |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、主として青年期(15歳頃~)に発症し、排卵障害の原因となり、また妊娠成立後も周産期合併症の発症頻度が高く、胎児への影響も懸念されている。しかしPCOSの発症機序が明らかでないため、生活指導や対症療法以外の有効な方策が打ち出せていない。本研究では、胎児期の高アンドロゲン曝露によって成長過程の腸内細菌叢形成に異常が生じ、その結果卵巣病態と代謝異常などの複合的な異常から成る病態であるPCOSが発症するという仮説を明らかにする。そしてPCOSに対して、プロバイオティクス投与による腸内細菌叢是正という、病因をターゲットとした治療さらには発症予防戦略の開発を図る。
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研究成果の概要 |
PCOSの病因として、胎児期の高アンドロゲン曝露が明らかとなってきた。また近年、著腸内細菌叢の異常がPCOSの病因として働く可能性があきらかとなってきた。本研究において、私たちは、妊娠中の母マウスにアンドロゲンを投与することによりPNAモデルを作成し、雌仔の成長過程に沿って、PNA仔と対照仔のPCOS表現型、ならびに腸内細菌叢を比較検討した。腸内細菌叢異常は、PCOS表現型の発現に先立ち認められた。この結果により、腸内細菌への早期介入により、成長後のPCOSの発症を予防できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PCOSは生殖年齢女性で最も罹患頻度の高い(6-20%)内分泌疾患で、排卵障害の原因となり、また妊娠成立後も周産期合併症の発症頻度が高い。したがって、PCOS女性に対しては、不妊治療成績ならびに周産期予後の向上のために、挙児努力前からの健康管理すなわちプレコンセプションケアが勧められる。本研究は、腸内細菌叢への早期介入によりPCOSを予防できる可能性を示唆しており、PCOSの予防戦略を提示したという点で画期的であり、またプレ/プロ/ポストバイオティクスによる介入は、挙児努力中さらには妊娠中の女性に対しても適用可能な介入であり、実現可能性の高い戦略である。
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