研究課題/領域番号 |
19K09757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
戸上 真一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (20644769)
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研究分担者 |
小林 裕明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70260700)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / 子宮体癌 / センチネルリンパ節生検 / OSNA法 / センチネルリンパ節 / 子宮頸がん / 子宮体がん |
研究開始時の研究の概要 |
早期子宮頸癌、体癌に対する低侵襲手術が社会的にも求められている。我々はこれらの早期癌で骨盤センチネルリンパ節(SN)理論が成り立つことを報告した。また術中診断の効率化を研究する中で、転移リンパ節ではPCR法にてCK19が高発現していることを見いだした。本研究では、術中にSNを同定し、それに転移がない場合リンパ節郭清を省略できるか、およびSN転移の術中診断向上のために分子病理診断(OSNA法)の導入が有用かについて解明する。本研究の成果はセンチネルリンパ節生検の定型化や有効性の確立とともにそれを用いた個別化医療が可能となり、社会的にも下肢リンパ浮腫軽減などのQOL改善に大きく貢献するものである。
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研究成果の概要 |
子宮がん手術時の摘出リンパ節を用いて、OSNA法と、病理組織検査による転移診断の一致率を評価した。頸癌でOSNA法の感度は80%、特異度97.7%、病理との一致率は95.9%であった。体癌のOSNA法感度は85.7%、特異度93.3%、一致率は92.5%であった。頸癌で不一致を2例(OSNA陽性×病理陰性とその逆)に認め、微小転移巣の局在が原因と考えられた。体癌の不一致は5例で(OSNA陽性×病理陰性)を4例に認めたが、標本のultrastagingで全例に病理学的微小転移が確認された。残る1例(OSNA陰性×病理陽性)は体癌の原発巣がCK19陰性であることが原因と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて子宮がんでもSNの術中転移診断をOSNA法で代用できる可能性が示唆された。そのため、従来は摘出したSNを2mm間隔にスライスして術中に病理医が手術中という限られた時間内に多くの切片の転移判定を行う代わりにOSNA法での診断が可能となる。術中にリンパ節転移の有無を診断することは、病理にとってかなり負担であるが、その負担が軽減される。また、OSNA法にて転移陰性であれば骨盤リンパ節郭清省略が可能になり、社会的にもリンパ節郭清によって出現する下肢リンパ浮腫を軽減することが可能になり、患者QOL改善や医療費削減に大きく貢献するものである。
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