研究課題/領域番号 |
19K09788
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中田 雅彦 東邦大学, 医学部, 教授 (10294646)
|
研究分担者 |
日根 幸太郎 東邦大学, 医学部, 講師 (50729308)
早田 英二郎 東邦大学, 医学部, 講師 (50804176)
與田 仁志 東邦大学, 医学部, 特任教授 (90589053)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 双胎間輸血症候群 / 一絨毛膜双胎 / 双胎妊娠 / 脳性麻痺 / 胎児治療 / 静脈管 / E/e' / アルドステロン / 胎児循環 / 羊水 / 超音波パルスドプラ法 / Dual-gate Doppler method / Dual-gate Doppler法 / 胎児循環不全 / VEGF |
研究開始時の研究の概要 |
一絨毛膜(MC)双胎では、双胎間輸血症候群(TTTS)やselective IUGR(sIUGR)において循環不全を合併し予後が著しく不良となるが、そうでない場合でも中枢神経障害等の合併症が存在し、MC双胎特有の循環状態が関与すると考えられているが、その詳細な発症機序は不明である。 本研究では、循環不全に着目し、羊水・臍帯血の心不全マー カーを測定し、新たに確立した胎児心機能評価法を用いて関連性を検討する。加えて、胎盤における循環作動物質の組織学的発現の検討を行い、胎盤機能と児の循環状態について評価し、MC双胎における循環不全の病態解明を行うと共に、循環不全の臨床的評価法を確立する。
|
研究成果の概要 |
一絨毛膜双胎に合併する双胎間輸血症候群や一児胎児発育不全などの合併症における胎児循環不全の病態解明のための研究を行った。双胎間輸血症候群や一児胎児発育不全に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術を行い、その前後で胎児血行動態の変化を検討した。また未発症の双胎妊娠胎児における検討も行い比較した。 超音波診断装置を用いた胎児心機能の計測や胎児静脈管血流波形の計測によって、双胎間輸血症候群では発症早期から心拡張能が低下することが明らかとなった。また羊水中アルドステロン濃度は、TTTS未発症の一絨毛膜双胎でも両児間に差を認め、これらの双胎における特有の循環不全の状態が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで未解明だった一絨毛膜双胎における双胎間輸血症候群の循環動態が明らかとなった。特に胎児循環不全に進展する以前からすでに胎児心拡張能が障害されていることが明らかとなったことは新たな知見であるとともに、双胎間輸血症候群の早期発見や発症予知につながる有用な情報である。また、双胎間輸血症候群未発症の一絨毛膜双胎でもすでに羊水中アルドステロンレベルに格差を認めることから、二絨毛膜双胎とは異なる循環評価の必要性が示唆された。 脳性麻痺や周産期死亡につながるこれらの疾患に対する病態解明や早期発見の可能性が拡大することは、少子化社会において広く国民に資する結果といえる。
|