研究課題/領域番号 |
19K09812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 美紀子 日本大学, 医学部, 准教授 (70326049)
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研究分担者 |
浅野 涼子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70806471)
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (00254194)
羽尾 裕之 日本大学, 医学部, 教授 (40393243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子宮筋腫 / エリスロポエチン / 腫瘍内分泌学 / 成長因子 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮筋腫は腹腔内を占拠するほど巨大に増大することがある.筋腫が巨大に増大する機序の解明は,個々の患者に対する治療方針立案や新規の治療法開発のために重要である.我々は現在までに筋腫には赤血球造血因子であるエリスロポエチン (EPO)を分泌する一群があり,これらの筋腫は腫瘍径が大きいこと,EPO強発現筋腫では腫瘍内血管成熟が亢進していることからEPOが腫瘍内血管に作用して腫瘍増大に寄与している可能性を示してきた.本研究は筋腫の個別化医療への足がかりとすることを目的にEPOの腫瘍内血管に対する作用を中心に筋腫におけるEPOの影響をさらに詳細に解析することで筋腫増大の機序を検証する.
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研究成果の概要 |
先行研究で、EPOを高発現している子宮筋腫は腫瘍内の血管成熟が亢進し大きく増大することを報告した。本研究ではEPO発現が既知の筋腫ドライバー遺伝子変化であるMED12変異とHMGA1/2発現亢進とは違う要因で生じることを示したが、具体的な機序に関しては解明し得なかった。また、EPO高発現筋腫ではEPO代替受容体であるEPHB4遺伝子発現が亢進していることからEPO-EPHB4系が子宮筋腫の増大に関与している可能性が示唆された。本研究をさらに発展させることは、分子遺伝学的に多様な子宮筋腫の発生と進展機序を解明し腫瘍増大の予測マーカーや新たな薬物治療ターゲットの開発へつながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮筋腫は罹患頻度の高い良性腫瘍で、時に巨大に増大し生活の質や妊娠・出産に多大な影響を与える。我々は先行研究で一部の子宮筋腫細胞がEPOを分泌し腫瘍の増大を促進する可能性を報告し、新規の筋腫増大機序を提案した。本研究はどのような分子遺伝学的背景の筋腫がEPOを発現し、どのような機序で筋腫の増大を促進するのかを検証した。その結果、EPOの発現機序は既知の筋腫のドライバー遺伝子異常で直接的には説明できないことが明らかになった。さらなる検証が必要である。また、EPO高発現筋腫ではEPOの代替受容体である血管成熟因子EPHB4が強発現しており、EPOの腫瘍増大作用に関与している新たな可能性が示された。
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